F1第16戦日本GPは10日、三重県の鈴鹿サーキットで53周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインで今季3勝目、通算8勝目を挙げた。BMWザウバーの小林可夢偉はオーバーテイク連発の活躍で見事7位入賞。HRTの山本左近も16位完走を果たした。
決勝を迎えた鈴鹿サーキットは午後に入っても晴天が続き、路面は完全なドライコンディションへと回復した。気温は27度、路面温度は36度。グリッドでは、予選3位のルイス・ハミルトンがペナルティで8番手に降格したため、ロバート・クビカとフェルナンド・アロンソが2列目に並んだ。
レースはポールのベッテルが好スタートを切ってポジションを守ったが、僚友のウエーバーが遅れて3番手にドロップ、2番手にはクビカが上がる。しかし、後方ではビタリー・ペトロフがスタート直後にウイリアムズのニコ・ヒュルケンベルグと絡んでウォールにクラッシュし、1コーナーでもフェリペ・マッサがビタントニオ・リウッツィを道連れにクラッシュ、リタイアとなった。これでセーフティカー先導となるが、ここで2番手のクビカが右リヤタイヤが外れるトラブルに見舞われ、オーダーは再びベッテル、ウエーバーの1-2。3番手アロンソ、4、5番手にマクラーレンのバトンとハミルトンというかたちになった。
7周目にレースが再開されると、序盤はベッテルとウエーバーのレッドブル2台が後方のライバルを上回るペースで周回。徐々にその差は広がっていき、20周目には先頭ベッテルと3番手アロンソの差は約7秒、後ろを走るマクラーレンの2台には早くも11秒以上の差をつけてレースを優位に進めていく。
11番手からレースを再開した可夢偉は13周目にハイミ・アルグエルスアリ、18周目にはエイドリアン・スーティルをいずれもヘアピンで豪快にオーバーテイクし、入賞圏内の9番手までポジションを上げた。
20周を過ぎると上位勢がピットインを始めていく。まずは5番手のハミルトンが22周目、先頭ベッテルと3番手のアロンソは同じ26周目、その翌周にウエーバーが入り、各車タイヤをハードコンパウンドのプライムタイヤに履き替える。一方、序盤をプライムタイヤで走っていたバトンは38周目までピットストップを伸ばす作戦をとったが、これが結果的にはタイムを失うかたちとなり、僚友ハミルトンに4番手を明け渡してしまう。可夢偉も序盤は暫定6番手で奮闘を続けたものの、ピットアウト後はトロロッソ2台の間につけることになり、12番手から再度追い上げを強いられる。
中盤、トップのベッテルはバトンが先頭を走り続けたことで、後方のウエーバーとアロンソに一時迫られてしまうが、バトンのピットインで前方がクリアになると、そこからはレースをコントロール。2秒差にウエーバー、3番手アロンソには4秒の差をつけ終盤もレースをリードする。4番手に上がったハミルトンは40周を前に3速を失いペースダウン、バトンが再び4番手に上がっている。
ベッテルが優勝をほぼ手中に収めたレース終盤、ペースを回復した可夢偉が一気に主役に躍り出る。まずは45周目にアルグエルスアリをヘアピンで捉えると、直後のバックストレートで前を走るスーティルが白煙を吹き上げペースダウン。
これで入賞圏内の10番手に上がった可夢偉は、アルグエルスアリを抜いた際に負ったダメージをもろともせず、今度は49周目にバリチェロをまたもヘアピンでパス。しかもその周回に6番手を走っていたニコ・ロズベルグがクラッシュしたため、8番手に浮上した。さらに可夢偉はチームメイトのニック・ハイドフェルドも抜き去り、7番手へと浮上する。
レースはそのままベッテルが優勝し、2位ウエーバーでレッドブルが1-2フィニッシュを飾った。3位アロンソ、4位バトン、5位ハミルトンとなった。この結果、注目のタイトル争いは2位フィニッシュのウエーバーが220ポイントで首位をキープ、優勝したベッテルと3位のアロンソが同ポイントの206で並んだが、優勝回数で勝るアロンソがランキング上は2位。マクラーレンのふたりはハミルトンが192ポイントで4位に後退、バトンも189ポイントで首位ウエーバーに再び差を広げられている。
7番手で最終ラップを迎えた可夢偉は、ファンの大歓声を受けてチェッカー。今季6回目となる入賞を母国日本で手にした。
なお、予選21位のルーカス・ディ・グラッシはレース前のレコノサンスラップでクラッシュしたため、決勝出走は叶わなかった。
