右腕を切断する重傷を負いながらレースに復帰した経験を持つアレッサンドロ・ナニーニが、ロバート・クビカはレースに復帰できると語った。
クビカは日曜にラリーに出場した際、大クラッシュを喫し、重傷を負った。7時間におよぶ手術が行われたが、右手の機能が完全に回復するかどうかはまだはっきりしていない。
ナニーニは1990年にヘリコプターの事故で右前腕を切断する重傷を負ったが、3年後にDTMでレースへの復帰を果たした。
「クビカの外傷は私が負ったものとは違う」とナニーニはGazzetta dello Sportに対してコメントした。
「彼の腕は切断されなかった。神経、腱、筋肉は戻ってくる。時間の問題だ。ロバートはまたレースができるよ。私は彼と知り合いではないが、彼の回復を願っている」
一方、ルノーF1チームの元ボス、フラビオ・ブリアトーレはクビカを見舞い、話をしたことを明かした。
「あれほどひどいクラッシュをしたにしては、彼は元気だった」とブリアトーレはイタリアのメディアに対してコメントした。
「彼がよくなっているのが本当に嬉しい。ここに来て少し言葉をかわすことができてよかった」
「クビカは並外れた人間で、見事な回復力を持っている。クラッシュについては話さなかったが、もっと一般的なF1の話をし、すぐにレースに復帰できるという話をした。彼の回復力と体力を考えれば、5、6カ月で復帰できると思うね」
手の手術のスペシャリストであり、クビカの手術をサポートしたイゴール・ロセッロ医師は、彼がレースに復帰できるかどうかを判断するのはまだ早すぎると述べている。
「まだ予想できない」とロセッロ医師。
「神経システムのことは予想できない。しかし患者の精神力は大きくものをいうだろう」
「ナニーニがカムバックできたのであれば、クビカにできないわけがない。レーシングドライバーは並外れた人種であり、回復にかかる時間が普通よりも短い。私の患者のひとりは、手の機能が90パーセント戻った」