浜島裕英のF1人事査定 第十四回査定 「胆大心小」

 昨年までスクーデリア・フェラーリで、ビークル&タイヤインタラクション・デベロップメントとして活躍した浜島裕英。その浜島さんのコラムがF1速報サイトで連載中です。題して、「浜島裕英のグランプリ人事査定」。今回、F1速報サイトでしか読めない第14回コラムの一部をお届けします。

第十四回査定 「胆大心小」
 シンガポールGP。レース中、マクラーレン・ホンダのダブル入賞に期待を寄せた方も多かったのではないでしょうか。しかし、結果は、2台ともにギヤボックストラブルによるリタイアとなってしまいました。後半戦を見渡すと、唯一パワーユニットに厳しくないサーキットだっただけに残念でなりません。今週の鈴鹿は、パワー的にも、クルマのポテンシャリティー的にも要求レベルが高いだけに、苦戦が目に見えていますが、来年へ向けた何かを見せてくれることを熱望して止みません。

 さて、今回もピレリはタイヤの最低空気圧を従来よりも上げて来たようですね。前回もお話ししましたが、内圧を上げることによるタイヤメーカーのアドバンテージは大きく、走行時のタイヤの変形量が縦、横、ねじり方向ともに減少するため、タイヤの構造、材料への負担が軽減されますし、タイヤのバネとしての硬さが増すため、スタンディングウェーブ現象の発生速度が上がるので、タイヤの構造的高速耐久性は向上します。

 タイヤメーカーとしては、空気圧を上げすぎることで、接地面積が減少して、少ない面積で路面からの入力を受け止めるためにタイヤトレッドの中央部分だけが摩耗してしまうとか、負荷が大きくなるためにコンパウンドがオーバーヒートしてブリスターが発生してしまわない限りは、内圧を上げておけば安心であることは間違いありません。

 しかし、チームの方は、恐らくたまったものではないでしょう。タイヤの接地面積が減少することとタイヤのバネ常数が上がることで、トレッドコンパウンドが路面からの入力を受ける負担が増すため、オーバーヒートが生じ、高温で使われることと、物理的な刺激の強さによって、性能劣化(デグラデーション)が起きやすくなります。

メルセデス勢が苦戦した要因
アンダーカットによる逆転を封じたベッテルの走り
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