第80回ル・マン24時間耐久レースは開始から10時間30分が経過したが、1時33分にピットに戻った7号車トヨタTS030ハイブリッドはいったんガレージに戻され、そのままリタイアが決定。トヨタのル・マン24時間復帰戦は2台がリタイアという結果に終わってしまった。

 1999年以来のル・マン参戦、そしてハイブリッド車による初勝利をかけアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組の7号車、アンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組の8号車という2台体制で参戦したトヨタTS030ハイブリッド。予選では8号車が3番グリッドを獲得、速さでも絶対的な王者アウディに迫るものをみせ、決勝でも互角の戦いを披露した。

 序盤からアウディ勢に襲いかかるアクシデントを尻目に、8号車、7号車が好調なペースで首位を走る1号車アウディR18 e-トロン・クワトロに接近。2台は表彰台圏内で序盤戦を進め、4時間すぎにはペースがにぶりはじめた1号車アウディに肉迫。ちょうど5時間が経過したところで、ニコラス・ラピエール駆る7号車が、ピットアウトした1号車アウディに迫ると見事オーバーテイク。サルト・サーキットは歓声に包まれた。

 しかし、その直後ミュルサンヌで8号車を駆るデイビッドソンが周回遅れをパスしようとした際に不運な接触。姿勢を乱した8号車は宙を舞ってしまい、激しくタイヤバリアにクラッシュ。デイビッドソンに怪我はなかったものの、8号車はリタイアを喫することになってしまった。

 その後、8号車のクラッシュにより出されたセーフティカー中に、ピットで再び1号車に先行されてしまった7号車は、21時14分のリスタート直後、1号車アウディをかわそうとしてラップダウンとなっていた0号車ニッサン-デルタウイングと接触。タイヤを痛めピットに戻ることになってしまう。

 ピットでの修復に3分を要した7号車だが、その後さらにオルタネーターのトラブルが発生。修復には1時間43秒を要し、トップ争いからは完全に脱落。その後再びコースに入りナイトセッションを走行していたが、1時34分に134周をこなしたところで再びエンジントラブルが発生し、ピットへ入れられてしまう。

 ガレージではフロントカウルを外すなど大がかりな作業が行われたが、1時38分、マシン修復をあきらめたトヨタ・レーシングはリタイアを決定。1時38分には作業を終えたスタッフが抱き合い、労をねぎらいあった。

 この7号車のリタイアにより、2台体制だったトヨタ・レーシングのル・マン24時間は終わりを告げてしまうことに。サーキットには寂しい空気も漂ったが、序盤5時間までの戦いぶりは王者アウディを追う存在としてふさわしい存在感をみせつけることになっただろう。

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