現地時間18日、F1第16戦ブラジルGPの決勝がインテルラゴス・サーキットで行われ、2番手スタートのマーク・ウエーバー(レッドブル)がトップチェッカーを受け今季2勝目を手にした。2位はロバート・クビカ(BMWザウバー)、3位にはルイス・ハミルトン(マクラーレン)が入った。トヨタは初レースの小林可夢偉が9位、ヤルノ・トゥルーリはリタイア。ウイリアムズの中嶋一貴もリタイアに終わっている。
なお、5位にジェンソン・バトン(ブラウンGP)が入り2009年のワールドチャンピオンを決定、ブラウンGPはコンストラクターズタイトルも獲得した。
週末を通して雨に悩まされたインテルラゴスだが決勝日は一転して青空がひろがった。気温は27度まで上がりドライへと変わった路面温度は34度、湿度は61%。なお予選でクラッシュし、その後ギヤボックス交換を行ったビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)は5グリッド降格のペナルティを受け最後尾からのスタートとなっている。
レースはPPのルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP)が好スタートを決めてリードを奪うとフロントロウスタートのウエーバーも2番手で続く。しかしオープニングラップは混乱してポジションは大きく前後。トゥルーリとエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)がフェルナンド・アロンソ(ルノー)を巻き込む形でクラッシュしてリタイア。これでセーフティカー導入となると、ピットインしたヘイキ・コバライネン(マクラーレン)が給油ホースをつけたまま発進してガソリンをまき散らしてしまう。そこにフロントウイングの交換を済ませたキミ・ライコネン(フェラーリ)のマシンに引火しピットは一時騒然となったが、この2台は運良く難を逃れその後も走行を続けた。
5周目にセーフティカーランが解除となりレースは再開。先頭のバリチェロは序盤こそファステストラップをマークして逃げを打つが、10周を過ぎても十分なリードを築けずウエーバーを約2秒後方において周回を重ねていく。3番手にはクビカが僅差でつけており、ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ)、セバスチャン・ブエミ(トロロッソ)と続く。6番手には混乱に乗じて順位を上げた小林可夢偉がつけ、後ろを走るバトンのオーバーテイクを何度も凌ぐなど威勢のいい走りを見せる。
搭載燃料の少ないトップのバリチェロは21周目にピットインする。ここからライバル勢も次々と1回目のピットストップに入っていき、3番手クビカは24周目、バリチェロに代わりトップに立ったウエーバーは27周目、バトンは6番手走行の30周目、最も搭載燃料の多いベッテルは38周目まで1回目のピットストップを伸ばした。
するとこの一連のピットストップでウエーバーがバリチェロに代わってトップを奪うことに成功。逆にバリチェロはピットアウト後のラップを集団の中で走る羽目となって3番手に後退、2番手のポジションをクビカにも奪われた。
その後はトップに立ったウエーバーがリードを築いてレースをコントロール。52周目には2回目のピットストップも難なく済ませ、2番手のクビカを約5秒後方、バリチェロには15秒以上のギャップを作ってチェッカーを目指した。序盤のセーフティカーラン中にピットストップを行い、その後1回のみのピットストップを行う作戦で4番手まで順位を上げてきたハミルトンは、レース終盤に3番手のバリチェロに迫り63周目にポジションは逆転。その際、バリチェロはハミルトンと軽く接触してタイヤがパンク、予定外のピットストップを強いられ上位から脱落することとなった。
結局レースはトップのウエーバーがそのまま71周を走りきり今季2度目のトップチェッカー。2位のクビカは8番グリッドから、3位のハミルトンは17番グリッドから表彰台を獲得した。F1初の決勝レースに挑んだトヨタの小林可夢偉は9位で完走している。(レースは10位でフィニッシュ、後に9位だったコバライネンがペナルティで12位へ降格となった。関連ニュース参照)
注目のタイトル争いはバトンが5位入賞を果たしバリチェロが8位となったため両者のポイントはバトンが89、バリチェロは72となり、これによりバトンが悲願のワールドチャンピオンを獲得。同時にブラウンGPはコンストラクターズタイトルも決めた。これで両タイトルは決着。しかし4位に入ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)がポイントを74にしてバリチェロを逆転しており、最終戦ではこのふたりによるランキング2位争いが注目される。