いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。今週末鈴鹿を訪れるF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第12回目は、マクラーレンのジェンソン・バトンだ。
2009年にブラウンGPで念願のタイトルを獲得した、現F1ワールドチャンピオン。今季マクラーレンへの電撃移籍を発表した際には、ルイス・ハミルトンのチームといわれるマクラーレンと契約するなんて無謀だ、失敗だ、ずいぶんと勇気がある、ともっぱらネガティブな見方をされた。しかし持ち前の穏やかで友好的な性格ですぐにチームに溶け込み、周囲からの懸念に反してチームから不利な扱いをされることなく、渋いレース運びでハミルトンと互角に戦い、今季評価をさらに大きく上げている。恋人 道端ジェシカさんとのツーショットは、美男美女でとても絵になり、ふたり一緒に雑誌でモデルをしたことも。
世界タイトル獲得という快挙を成し遂げた翌朝、一番最初に考えたことは何ですか?
ジェンソン・バトン(JB):携帯を買い換えよう、ってことかな。ブラジルGPが終わってから着信音が鳴りっぱなしで、すごい数のメッセージが送られてきたんだ。150件くらい入っていたんじゃないかな。僕のメールアドレスを知っている人はほとんどいないはずなのに、絶対おかしいよね!
お父上はどうしていつもピンク色のシャツを着ているのですか?
JB:僕がレースを始めて最初に優勝した時に着ていたから、ゲンを担いでいるんじゃないかな。父が日曜日に必ずピンクのシャツを着るようになってから、あの色が流行り始めたんだ。今ではパドックでも頻繁に目にするようになったね。父が流行を作ったと言ってもいいんじゃないかな。エディ・ジョーダンが認めてくれれば、の話だけど……。
プライベートで車を運転する時、一般のドライバーにイライラすることはありますか?
JB:周囲の状況に無頓着なのが困る。そういう人が本当に多いんだ。集中力が欠けているというのかな。車の運転に危険が伴うことは間違いない。僕らがレースをするのは管理された環境でのことで、一般道とは訳が違う。ただし、マナーのいいドライバーも大勢いるけどね。イギリス国内を走っていると、僕に気付いた人は皆、「頑張れよ、JB!」とでも言うようにホーンを鳴らしてくれる。本当に嬉しいよ。イギリス人は気さくなんだ。
今でも洗濯は自分でしているのですか?
JB:ああ、しているよ。レースのある週末はホテルのランドリーに出すけどね。難しいことじゃないだろ? 洗濯機に汚れものを突っ込んでスタートボタンを押し、1時間後に取り出して乾燥機に入れる。後はアイロンをかければいい。簡単さ。僕は料理も自分でするよ。
チャンピオンになった今でも情熱がすべてだと言えますか? それとも金銭面が重要なウェイトを占めるのでしょうか?
JB:(一瞬あっけにとられ、笑いながら)分かってないなァ……。このスポーツを愛し、1番になってやろうという情熱がすべてなんだよ、ホントの話さ。僕の唯一の取り柄は、F1マシンを走らせることなんだ。レーサーが多額の報酬を得るのは事実だけど、それは他のスポーツ選手も同じことだ。僕は、湯水のようにお金を遣うタイプの人間じゃない。お金もむろん大切だけど、情熱はもっと大切さ。
このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2010年2月情報号をご覧ください。