F1チームが、ウエットタイヤ向上のため、ピレリに本格的なウエットテストの機会を与えるよう、ストラテジーグループに求めている。
ウエットコンディションの日本GPでジュール・ビアンキが大クラッシュを喫したことから、さまざまな面での安全性向上策が検討されている。そのなかのひとつとして、現在のフルウエットタイヤの性能にも目が向けられている。
GPDAディレクターのセバスチャン・ベッテルは、ロシアGPのドライバーミーティングにおいて、ウエットよりインターミディエイトのパフォーマンスの方が優れているために、天候が悪化してインターミディエイトには適さないコンディションになっても、ドライバーとしてはウエットに交換したくないと、現状を説明した。
FIAはベッテルを含む何人かのドライバーの意見を聞き、ブラジルGPの週末に行われたF1スポーティングレギュレーション・ワーキンググループ会合においてウエットタイヤの問題について話し合った。
そのなかで、テスト制限や人工ウエットテストの環境の関係でウエットコンディションでの本格的なタイヤテストを行う機会が限られているため、ピレリがウエットタイヤの改善を行うのは簡単ではないという意見が提示された。
ピレリは、スプリンクラーシステムを導入して一貫したウエットコンディションを作り出してテストを行うという提案を繰り返し行っている。
ブラジルの会合では、テスト開催地などを含め詳細について結論が出ず、この問題は、FIA、FOM、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、ウイリアムズ、ロータスから成るF1ストラテジーグループにおいて解決することが決まり、アブダビGP翌週の会合で話し合いが行われることになった。
ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、チームやドライバーによってウエットタイヤに関する意見が異なるため、大量のテストを行ってデータを取る必要があると述べている。
「完璧な状態にするには、膨大な量のテストが必要だ」とヘンベリー。
「(さまざまな意見があるため)今のF1マシンでたくさんのテストを行い、データを取る必要がある」