全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの2009年開幕戦は、富士スピードウェイで55周の決勝レースが行われ、ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)が2007年開幕戦以来となる優勝を飾った。2位は初表彰台の伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)、3位は平手晃平(ahead IMPUL)となった。
薄曇りの中迎えたフォーミュラ・ニッポン開幕戦。新シャシーFN09の初めてのレースということもあり、その速さやオーバーテイクシステムの活用など、注目のスタートとなった。
スタートでは、ポールポジションの平手がやや遅れ、2番手伊沢がホールショット。後方では小暮卓史(NAKAJIMA)がロイック・デュバル(NAKAJIMA)と接触しコースオフ。伊沢、トレルイエ、デュバル、松田次生(LAWSON IMPUL)、アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)というトップ5でオープニングラップを終えた。
注目のオーバーテイクシステムは、序盤から何人かのドライバーが発動させ、ロールバー上のランプが激しく点滅。しかし使いどころによっては抜けなかったり、逃げのために使ったりと効果はさまざま。そんな中、スタート直後のスピンで順位を落とした小暮がシステムを発動させるたびにオーバーテイクをみせ、うまく活用している様子をみせていた。
序盤、トップ5は接近しつつも膠着状態で数周が経過。そんな中、5番手ロッテラーが16周目にシステムを発動させ、前の松田に仕掛けるが2台は接触。松田はスピンする形でストップしてしまい、なんと王者松田の開幕戦はリタイヤという結果になってしまう。
このレースではタイヤ交換が義務づけられており、中盤には各ドライバーがピットへ向かう。そのうち、首位伊沢、2番手トレルイエ、そして他車のピットインで順位を上げてきた平手がかなりピットインを遅らせてきた。先にピットに入ったのはトレルイエで、19秒で作業終了。翌周に伊沢がピットインし、こちらは21秒。伊沢はトレルイエの前で復帰し、温まっていないタイヤで必死に抵抗するがトレルイエが伊沢をパス。これで首位に立ったトレルイエは一気にその差を開き、首位を盤石のものとした。
その後ピット作業を行った平手は、2番手伊沢のすぐ直後を走っていたデュバルの前に入り込み3番手を確保。その後も伊沢を先頭とする2番手集団は接近戦を行っていたが、途中リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)が1コーナーで激しくクラッシュ、救出作業が行われていたことなどもあり、順位は動かず。
結局、トレルイエが伊沢との差をコントロールしトップでチェッカー! 2007年開幕戦富士以来となる勝利を飾った。2位は伊沢でこれが初表彰台。3位は平手となった。4位デュバル、5位にはジワジワと順位を上げた立川祐路(CERUMO/INGING)、6位はファイナルラップに大嶋和也(PETRONAS TOM'S)をパスした塚越広大(HFDP)となった。