「飛行機に乗って月曜日にシンガポールに到着したときに、チームから交代を告げられた」
木曜日のFIA公式記者会見でロベルト・メリは、アレクサンダー・ロッシとの交代劇について、そう説明した。しかし、ある関係者によれば「チームから『そう言え』と言われたんだろう。だってメリの両親と妹は水曜日にスペインからカタール航空でシンガポールへ向かっていたんだから。その日の夕方にロベルトはチームから呼び出されてサーキットに来て、ジョン・ブースから交代を告げられたんだ。彼は慌ててドーハでトランジット中の父親に電話して、シンガポールで走れなくなったと伝えた。それで家族はドーハからスペインへ帰ってしまったんだ」
マノー・マルシャが、メリに対して水曜日に交代を告げたと考えられる間接的な証拠が、もうひとつある。木曜日のFIA公式記者会見の出席メンバーにメリが選ばれていることだ。出席者のリストが公表されたのは、まさに9月16日の水曜日。メリが会見で語ったように「月曜日に交代を伝えられていた」なら、チームからFIAへ出席者の変更を要請するのが妥当だ。レースシートを奪われたドライバーが、そのグランプリで公式会見に出席するというのは、異例中の異例である。
マノー・マルシャがロッシとの契約について、公式リリースを出した時間は9月16日の23時(シンガポール時間)。FIAから会見出席者のリストが送られてきたのは、それより約5時間早い同日18時だったことを考えると、やはりメリが交代を告げられたのは水曜日だったのだろう。
木曜日の時点でガレージの看板は、ロベルト・メリの名前のまま。さらにガレージ内では、メリが乗っていたマシンだけ、深夜まで作業が続けられていた。背の低いメリから長身のロッシに交代することで、コクピット内のペダル位置などを大幅に変えるためだと考えられる。
メリは今後もチームにリザーブドライバーとして残り、ロシアGPとアブダビGPに出場する。ロッシの“持参金”が5戦ぶんしかないわけではなく、ロッシが併催されるGP2に出場するからだ。
それでもメリはチームに対して、こう語っている。
「ここまで12戦、レースさせてもらったことに感謝している」
