F1最終戦アブダビGP、ケータハムのホスピタリティに見慣れぬ初老の紳士がいた。チームウェアを着ている、その男性こそケータハムの管財人であるアイルランド人のフィンバー・オコンネルだ。

「今は管財人であり、チーム代表として座っているが、私がこのチームの代表を務めるのは1戦だけ。最終戦が終了すれば、私はチームを売り、新しいオーナーが代表を決める」

 オコンネルが「#RefuelCaterhamF1」という名のクラウドファンディングを開始したのは、ブラジルGPが始まった11月7日だ。

「批判する人もいるが、私の役割はチームをここに連れてくること。それが来年に向けて、このチームにとって最良の道だと判断したからだ」

 しかし、いまだクラウドファンディングはオコンネルが目標としていた235万ポンド(約4億3000万円)には到達していない。どのようにして資金を捻出したのだろうか。

「いくつかの企業がサポートしてくれた。たとえば、パワーユニットを供給してくれているルノーやギヤボックスを提供してくれているレッドブルテクノロジーなどだ。それらのサポートがなかったら、ここにたどり着くことはできなかっただろう」

 かつてのチーム代表であれば、ドライバーからの持参金も重要な資金源と考えただろうが、なぜ持参金のない小林可夢偉を選んだのだろうか。

「チームの士気を上げるためだ。可夢偉が走ることは、なによりチームのモチベーションにつながる。(ザウバーを抜いて)コンストラクターズ選手権10位という望みも捨てていない」

 では、なぜ可夢偉のチームメイトにウィル・スティーブンスを選んだのだろうか。

「チームと彼には契約があり、その中には重要なスポンサーも含まれていた。マシンに貼られているステッカーの中には彼が持ち込んだものがある」

 情熱も大切だが、管財人のオコンネルには現実を忘れない冷静さがある。そして、最後にこう言った。

「なぜ、可夢偉を乗せたのか? 日本からの投資にも期待しているからだよ」

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