KCMG、ポールポジションと表彰台を獲得しWECスパ戦を終える

 FIA 世界耐久選手権第2戦で、オレカ・ニッサン47号車が初めてWECでのポールポジションを手にするとともに、KCモータースポーツ(KCMG)はまたしても3位表彰台と言う快挙を成し遂げた。

 香港に拠点を置くLMP2チームは、気まぐれな天候のもとアルデンヌの森にある伝統のサーキットでリチャード・ブラッドレー、アレキサンドレ・インペラトーリ、マット・ホーソンによってその力強いパフォーマンスを見せつけた。先月行われたシルバーストーンでのオレカ03・ニッサンの鮮烈なデビューに続き、LMP2クラスのKCMG47号車は、ベルギーの地で最前列を手中に納め、その能力の高さを見せつけることとなった。

 KCMGは金曜日のプラクティスセッションで精力的にテストメニューをこなし、120分2回のセッションを4位、5位と好位置で終了。続いて夕方に行われた30分間の予選セッションでは、いわゆるちょい濡れの路面コンディションとなる中ブラッドレーとインペラトーリが4周平均で2分12秒103のファステストラップをマークし、見事LMP2クラスでのポールポジションを手に入れた。

 土曜日のスパ・フランコルシャンは天候に恵まれ、リチャード・ブラッドレーがゼッケン47のオレカ03を駆り、ポールポジションから6時間の戦いに臨んだ。イギリス人ドライバーのリチャードはレース開始後30分は、後続の追い上げを抑え一定のギャップを保つことに成功する。

 しかし、トヨタLMP1 の7号車から飛んできたボディーワークの破片の直撃を受け、ブルーとホワイトのオレカの車体前部左側の空力パーツが破損。これにより、エアロダイナミクスのバランスが悪化し、モーガン 26号車に首位を奪われることとなってしまった。

 ブラッドレーはアレキサンドレ・インペラトーリにオレカ・ニッサン47号車のステアリングを託すまで、2時間のスティントをこなし3番手を維持しピットイン。スイス人ドライバーは5番手で戦線へと復帰し、順位を上げるべくステディな走りで闘いを挑む。インペラトーリは3スティントをこなす素晴らしい走りを見せ、スタートから4時間が経過するころにはイオタスポーツのマルク・ジェネを相手に、激しい2番手争いを繰り広げる。

 その後KCMGは、マット・ホーソンへのドライバー交代のピットストップの間に順位を2つ落とし、4番手に後退。スパ6時間耐久レースのラスト90分、ザイテック38号車に果敢にアタックしていたホーソンだったが、パンクにより2番手奪還はならず。結局世界耐久選手権での2度目の表彰台フィニッシュとなったKCMGは、LMP2クラスでシリーズランキング2位につけ、ル・マン24時間耐久選手権のため、フランスへと旅立つこととなった。

■リチャード・ブラッドレー/KCMG WECドライバー
「スパでの週末は最高だった。難しいコンディションの中、KCMGのWEC初のポールポジションが獲れたことは素晴らしかったと思う。クラッシュ車両のパーツの一部が飛んできてマシンにダメージを受けるまでは、僕たちの強さを見せつける事が出来たんだ。シルバーストーンとスパで学んだ事は、我々の最大の挑戦といえるル・マンに活かしていくよ!」

■アレキサンドレ・インペラトーリ/KCMG WECドライバー
「複雑な心境でスパを去ることになったね。チーム初のポールポジションを獲れた事はもちろん、それに付随してポイントがつくのは嬉しいよ。ただ、決勝ではリードしていたのに、クラッシュしたマシンの破片が僕らのマシンの前部に当たった結果、レースの流れが変わってしまったんだ。ダウンフォースが弱まり、早い時期でのピットインを余儀無くされて、作戦も狂ってしまった。だから、ピットストップの時間を短くするために3スティントタイヤをもたせる作戦を採ったんだ。そのおかげで頑張って2位まで順位を上げる事が出来たが、レース終盤でのパンクによってマットの3位が決まってしまったね。もし事故がなかったら混戦になってただろう。それでもスパのレース展開以外の部分で言えば、チームは素晴らしい仕事をしてくれているし、時が経つに連れてチームワークも良くなっている。今年最大のチャレンジ、ル・マン24時間レースではかなり良いレースが出来る気がするよ! ル・マンへの復帰は楽しみだし、優勝を目指したいね」

■マット・ホーソン/KCMG WECドライバー
「スパでの週末はチーム内の各パートで向上がみられたし、ポールポジションも獲ることが出来た。しかし、残念ながらトヨタLMP1マシンの破片によって僕らのマシンのエアロパーツが傷ついた結果、タイヤの消耗を引き起こしてしまった。僕たちが上位争いに復帰できるよう、アレックスが3スティントですごい走りを見せてくれ、その上2位も狙える状況だったのに僕のスティントでパンクしてしまった。悔しい思いをしただけに、ル・マンが待ち遠しいよ。いつも支えてくれるチームと、サポーターに感謝している」

■ポール・イップ/KCMG ゼネラル・マネージャー
「世界屈指の難しいサーキットでWEC初のポールポジションを獲得した上、表彰台にまで上がれたと言うことは、チームにとって充実した週末だったと言える。しかし、WECでの初勝利に向けてチームとしてまだまだ進化し、努力を続けるつもりだ。ル・マン24時間は今季のハイライトとも言えるレースだし、自信を持ってサルテに向かおうと思う」

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