2011年F1に向けてレギュレーションが変更され、今季使用されたデバイスが廃止されて新たなシステムが導入されるなど、いくつか技術面で変更が行われることとなっている。
2011年のレギュレーションは完全な形ではまだ発表されていないが、F1公式サイトが、来季予想される主だった技術面の変更をまとめた。
●Fダクトとダブルディフューザーの禁止
過去2年に登場したFダクトとダブルディフューザーが2011年は禁止される。マシンの空力的な性格を変えるためにドライバーが動かせるシステム、デバイスあるいは手順はいかなるものも禁止される。
●ブリヂストンからピレリタイヤへ
ブリヂストンが2010年末でF1から撤退、来季ピレリが後任を務める。1991年以来のF1復帰を果たすピレリは、F1全チームにタイヤ供給を行う3年間の契約を結んだ。2010年最終戦の翌週末にアブダビでピレリによる初の合同テストが開催されたが、今後も開発が続けられ、来季スタート時に使用されるタイヤはアブダビテストでのものとは大きく異なるコンパウンドになる見込み。また、前後の重量配分がフロント46.5%、リヤ53.5%に定められる予定だ。
●アジャスタブル・リヤウイングが導入
2010年はムーバブル・フロントウイングが使用されていたが、これが廃止され、ドライバーが走行中にリヤウイングを調整できる、アジャスタブル・リヤウイングが導入される。オーバーテイク促進のためのこのシステムは、コンピュータによって管理され、前のマシンの1秒未満差にまで近づいた場合のみ、コース中のあらかじめ決められた場所で作動させることができるものになる見込みだ。このシステムはプラクティス、予選でも使用できる。KERS同様、搭載は義務ではない。
●KERSの復活
KERS(運動エネルギー回収システム)は2009年に初めて導入され、2010年には使用されなかったが、2011年に再び導入されることになった。ブレーキング時のエネルギーを再利用するシステムで、ドライバーが“ブーストボタン”で操作できる。再導入ではあるが、2009年と異なり、2011年はレース中の給油が禁止となっており、燃料タンクが大きくなっているため、KERSシステムをマシンにうまく組み込むのはチームにとって大変な作業になりそうだ。2009年にはKERSシステムの重さも問題になったが、2011年はマシンの最低重量が20kg増やされ、640kgになる。