スーパー耐久シリーズを運営するスーパー耐久機構(S.T.O)は15日、千葉県・幕張市内のホテルで2015年シリーズ表彰式を開催し、この場でアジア諸国へスーパー耐久を広めるべく、2016年からタイのグランプリ・インターナショナルと協力し『Super Taikyu ASIA PROJECT』を発足すると発表した。
1990年にスタートしたN1耐久をルーツにもち、スーパースポーツであるFIA-GT3マシンから、ヴィッツやフィットなどコンパクトカーが参戦するカテゴリーとして、多くのエントリーを集めるスーパー耐久。車種バラエティも豊かで、ドライバーもプロからジェントルマンドライバーまで幅広い層が集まっている。
スーパー耐久は過去にも韓国のインジェ・スピーディウムでシリーズ戦を開催するなど海外進出した経験があるが、S.T.Oの桑山晴美事務局長によれば、今回のアジアプロジェクトでは「数ヵ年計画で“スーパー耐久の文化”というものを広げていきたい」と考えているという。そのため、今回はタイ国内最大のモーターショーであるバンコク・インターナショナル・モーターショーなどを主催するグランプリ・インターナショナルとパートナーシップを締結。まずは2017年2月にST-4クラス、ST-5クラスの上位入賞者をブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットへ招待し、タイ国内耐久レースにスポット参戦する形のエキシビションレースを行うプランを検討していることを明らかにした。ST-4はトヨタ86やホンダ・シビック、S2000など排気量2000cc以下のマシンが参戦可能でもっともバラエティに富むクラスで、ST-5クラスはトヨタ・ヴィッツやマツダ・デミオ、ホンダ・フィットなど排気量1500cc以下のコンパクトカーがしのぎを削るクラスだ。
発表の場にはグランプリ・インターナショナル代表のアノタイ氏も登場。「私自身、以前からスーパー耐久のファンでした」とアジアプロジェクトに協力する理由を説明し、「そのスーパー耐久がタイ、そしてアジア全体に広まり、レースができることを楽しみにしています」とプロジェクトの展望を語った。
「今回はST4、ST5の上位入賞者を招待し、ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットでタイの耐久レースに参戦するチームと一緒に走っていただければと思います。タイは日本と同じようにモータースポーツが盛んな国ですので、ぜひ足を運んでください」
また、桑山事務局長も「来年はST4、ST5だけとなりますが、スーパー耐久の魅力はさまざまなマシンが混走していることです。将来的には上位クラスの方も招待できればと思います」と将来の構想についても語っている。
昨年は参加可能台数の上限に迫るまでエントリーが集まったほか、観客動員数も着実に増加しているスーパー耐久。桑山事務局長によれば、今シーズンも50台以上のエントリーが見込まれるという。この『Super Taikyu ASIA PROJECT』を通じて、タイをはじめとする国々にスーパー耐久の文化を根付かせることができれば、アジア地域を代表する耐久レースとなる可能性も高まってくるだろう。
加えて、今シーズンの開催スケジュールも発表された。今季は全6戦が予定されており、大会ごとにレース時間やレースフォーマットが異なる変則的なスケジュールとなっている。
そのほか表彰式では、ST-X~ST5クラスのランキング上位チームの表彰が行われたほか、昨年より各大会で行われてきたレースクイーンの人気投票『ST GIRL50』のグランプリ表彰式が行われた。