WRC世界ラリー選手権開幕戦モンテカルロでトップ3を独占したフォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のヨースト・カピートは、今後もフォルクスワーゲンがシリーズを独占するようなことはなく、他の勝者が出るだろうと語った。

 2年連続でWRCのチャンピオンを獲得しているフォルクスワーゲンは、今季開幕戦となったモンテカルロでもセバスチャン・オジェが優勝を飾り、トップ3を独占した。しかしカピートは、今季はライバル勢が強力であり、出走順のレギュレーション変更から、勝者はより多く現れるだろうと語った。

「クリス(ミーク)はとても強力だ。彼は昨年初めてフル参戦したが、すごく速くなっている。それに(ロバート)クビカも同じように良くなっている。クビカがモンテカルロでいくつかみせた速さは、信じられないものだった」とカピートは語る。

「それにエルフィン(エバンス)の表現するものは完璧に今までとは違うものだ。彼は自信をもっているし、(オット)タナクもスピードがある。若いドライバーたちが大きな進歩を遂げているんだ」

「それに、出走順のレギュレーション変更によって、彼らに勝つチャンスが出てくると思う。彼らが勝てないとは決して言い切れないよ」

 一方で、フォード・フィエスタWRCを走らせるMスポーツ代表のマルコム・ウイルソンは、シーズンを通してフォルクスワーゲンが多くの勝利を収めるだろうと語っている。

「何かが起こらないと、彼らを負かすことはできそうにもないよ。彼らはクルマとドライバーの正しい組み合わせをもっていて、本当の強さがあるんだ」とウイルソン。

「私は現実主義者だ。ただ勘違いしないでほしいのは、敗北主義者じゃないってことだ。彼らを倒せると思っているから、できうる限りのことをしている。ただ結果をみると、今年のラリーで彼らを倒すことは難しだろう」

 このウイルソンの発言を受けて、今度はカピートがこう語る。

「マルコムの発言は嬉しく思うね! だけど、もちろん我々だって倒される時はある。スポーツでは常に勝利を失う可能性はある」

「フォルクスワーゲンにとっては力強い結果が出ている。だけど、最初からそうだった訳じゃない。それにトップ3独占は最初から決まっていたのではなく、まわりがミスを犯したからだ」

「彼らはフォルクスワーゲンがWRCに来て、強烈に支配しているというだろう。そうじゃないんだ。他がミスをしているんだ」

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