WEC世界耐久選手権第7戦富士は13日予選日を迎え、1時間のフリープラクティス3が行われた。予選に向けたアタックシミュレーションが行われたこのセッションでは、中嶋一貴駆るトヨタTS030ハイブリッドが1分27秒567でトップタイムをマークした。
いよいよ予選日を迎えたWEC世界耐久選手権第7戦富士6時間。快晴に恵まれた富士スピードウェイで午前9時25分から、予選に向けた最後の走行となるフリープラクティス3がスタートした。ポールポジション争いに注目が集まる中、アウディR18 e-トロン・クワトロ勢は1号車がアンドレ・ロッテラーが、2号車はアラン・マクニッシュがドライブ。一方7号車トヨタTS030ハイブリッドはアレックス・ブルツがステアリングを握りコースインしたが、一旦すぐにピットに戻りフロントカウルを開け調整。すぐにコースに戻った。
同様にピットへ戻りリヤを調整したのは、佐藤琢磨がドライブしてコースインした15号車OAKペスカローロ・ホンダ。セクター3でのダウンフォース不足に苦しんでいた15号車は、琢磨がその後も積極的に周回を重ねた。
コース各所でスピンなども相次ぐ中、1号車アウディはセッション中盤にピットに戻り、フロント、リヤともカウルを開け作業を行うシーンも。そんな中、別格のスピードをみせてきたLMP1クラスのハイブリッド3台は、終盤に予選に向けたアタックシミュレーションを実施した。
7号車トヨタは、予選でもアタックを担当すると想定されている中嶋一貴に交代。一貴はチェッカー間際に1周クリアを取ってアタックをまとめ、ついに1分27秒567まで突入することに。前日に一貴は「1分27秒5くらいまで入れることはできると思う」と語っていたが、想定どおりのタイムを叩きだしアウディ勢にプレッシャーをかけた。
2番手につけたのは1号車アウディ。ブノワ・トレルイエがアタックし1分28秒296というタイムで7号車トヨタにコンマ7秒の差をつけられることとなったが、セクター1〜2までは一貴と同等のタイムを出していたのが気になるところ。3番手は2号車アウディで、1分28秒482というタイムだった。
LMP1クラスのガソリン車では、JRMレーシングの22号車HPD ARX-03aがつけ、ローラ・トヨタ勢とHPD勢がまたも拮抗する結果に。この4台はいずれも1分30秒台のベストタイムとなり、琢磨が乗り込む15号車OAKペスカローロ・ホンダは1分31秒570がベストとなっている。
LMP2クラスは、タイトルに向けてここまで快走をみせているスターワークスのHPD ARX-03bがまたもトップタイム。2番手にはシグナテック・ニッサンの26号車オレカ・ニッサンがつけた。中野信治が終盤ドライブしたADRデルタの25号車オレカ・ニッサンはクラス6番手。井原慶子が乗り込む29号車ローラ・ニッサンはこのセッションも順調に走行を重ねたものの、クラス最後尾タイムに留まった。LM-GTEプロクラスは77号車ポルシェがまたもトップタイムをマークしている。