世界ラリー選手権(WRC)で9度のタイトルを獲得しているセバスチャン・ローブは、クリス・ミークのエンジニアリング能力を高く評価し、シトロエンがミークをエースドライバーに据えた判断を支持した。
これまでWRCと世界ツーリングカー選手権(WTCC)でワークス活動をおこなってきたシトロエンは、16年末でWTCCでのワークス活動を終了。WRCでは16年シーズンの活動を縮小する代わりに、17年シーズンに投入する予定のシトロエンC3をベースとしたWRカー開発に注力する。
昨年ラリー・アルゼンチンでキャリア初優勝を挙げたミークは、一時他チームへ移籍すると報じられたものの、最終的にはシトロエンに残留。C3ベースのWRカー開発を主導しながら、チームと関係の深いPHスポールが走らせるシトロエンDS3 WRCを操り、開幕戦モンテカルロのほかシリーズ6戦~10戦にスポット参戦する。
ローブはミークのエンジニアリングスキルと開発能力は高く、シトロエンは現在WRCで圧倒的な速さをみせるフォルクスワーゲンに対抗できるようになるだろうと述べた。
「オジェは最強のドライバーのひとりだが、マシンの開発能力に関しては未知数だ」とローブ。
「しかし、いずれにせよオジェはフォルクスワーゲンと契約を結んでいて、(シトロエンのドライバー)候補にはならない。ラトバラについても同様だ。一方、クリスはドライバーとしてだけでなく、エンジニアとしても優秀だ。だから、クリスを残留させるという判断は正しいと思う」
「クリスはマシンの細部まで深く理解していて、マシン開発という観点ではライバルチームのドライバーより優れている。シトロエンにもっとも必要な人材だよ」
ラリー界で伝説とも言えるローブから評価されたことに対し、ミークは「ローブのようなドライバーから高く評価されて嬉しく思うと同時に、その期待を裏切らないよう仕事をこなす必要があるね」と応じている。
「セバスチャン・ローブとシトロエンはWRCのトップに君臨していた。越えなければならないハードルは高いけど、僕たちは再びその状況を再現することを目標としている」
