モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツweb。両者がコラボしてお届けするweb版『Racing on』がスタートしました。
 web版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。第3回のテーマはJTCC初代チャンピオンカー、トヨタ・コロナです。

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 近年、スーパーGTとDTMのコラボレーションによって、DTMの選手権戦にGT500マシンが挑むなど、日本とドイツの関係が親密になった時期があったが、今から27年前、ドイツのワークスマシンが全日本選手権にやってきて、真っ向勝負を挑んだことがあった。それは1994年、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)でのことだった。

 JTCCはグループAに代わるカテゴリーとして、イギリスツーリングカー選手権(BTCC)を範にし、FIAがレギュレーションを制定した主に2.0リッター4ドアセダン(例外あり)で争われるFIAクラス2ツーリングカーによるレースの日本版である。

 イギリスを中心として海外で続々とクラス2ツーリングカーの選手権が始まり、日本でもその流れに乗るかたちで、グループA終焉の翌年、1994年にJTCCは産声を上げた。

 シリーズ初年度はプリメーラ、シビック・フェリオ、ランティス、カローラなど多彩な日本車が参戦したが、そのなかでも頭ひとつ抜けた成績を残していたのが、トムスとセルモが選択したコロナだった。

 同年はHKSが導入したボクスホール・カバリエ(シーズン途中から車名がオペル・ベクトラに)、そしてドイツからやってきたBMWワークスのシュニッツァーが走らせるBMW 318iがシーズン序盤から速さを見せていたが、コロナはそれに対峙。

 JTCC開幕以前にイギリスでトムスGBがコロナを走らせていた経験があったこともあり、日本勢のなかでは一歩先行していた。

 のちのJTCCの流れを見ていくとコンパクトなボディより、フットワークに優れたサスペンションを構築するためにレイアウトの自由度の高い大きなボディが有利となるのだが、そういった意味でもほかの日本車より、トヨタ自慢のスーパーストラットサスペンションを持つことも相まって、コロナは有利だったのかもしれない。

 シリーズはアンソニー・リード駆るベクトラが勝利を挙げることもあったが、関谷正徳、トム・クリステンセンのコロナ、スティーブ・ソーパーのBMWという三つ巴の争いとなり、最終戦インターTECはこの3人によるタイトル争いとなった。

 このインターTECのレース1で関谷は、一時グリッドにつけないというトラブルに見舞われたが、赤旗やほかのふたりにもトラブルが発生するという事態に助けられて、息を吹き返す。

 迎えたレース2ではソーパー、クリステンセンが後方から執念の追い上げを見せたものの、3位でフィニッシュした関谷には届かず。見事JTCC初代チャンピオンをコロナと関谷が獲得した。

 ドイツから万全の体制で挑んだにも関わらず逸冠してしまったBMWシュニッツァー。これが彼らに火を付け、トヨタ勢とBMWの争いは翌年の第2章へと続いていくのだが、それはまた別の機会にお届けしよう。

シーズン最多タイの5勝をマークしながらも1点差で王座を取り逃がしたセルモのコロナを駆るクリステンセン。彼がル・マンマイスターとして名を馳せるのはもっと後の話のことである。
シーズン最多タイの5勝をマークしながらも1点差で王座を取り逃がしたセルモのコロナを駆るクリステンセン。彼がル・マンマイスターとして名を馳せるのはもっと後の話のことである。
前年までF1にフル参戦していた鈴木亜久里もコロナで参戦。インターTECでは彼のアシストも関谷の戴冠を助けた。
前年までF1にフル参戦していた鈴木亜久里もコロナで参戦。インターTECでは彼のアシストも関谷の戴冠を助けた。

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