CERでポルトガル、エストニア、ギリシャに続く今季4勝目を飾るポテンシャルを見せながら方針転換により確実性を取ったロバンペラは、得意のパワーステージでも持ち前のスピードを“封印”して総合2位でフィニッシュ。
この結果、シリーズ連覇を狙う現王者とランキング2位につけるエバンスのポイント差が最終戦での逆転が不可能な域に達したため、自動的にロバンペラのドライバーズタイトル獲得が確定した。フィンランド人ドライバーによるシリーズ連覇は、1996年から4連覇を果たしたトミ・マキネン(ミツビシ)以来24年ぶり。トヨタドライバーの連覇は2020年と21年に王者となったセバスチャン・オジエ以来2年ぶりだ。
デイ3終了時に31.1秒差に近づいたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)とオジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)による表彰台争いは、Mスポーツのタナクに軍配が上がった。通算8度のチャンピオンは今朝のSS15とその再走ステージであるSS17でステージウインを記録したが、最後は15.8秒及ばず。ホイールにダメージを負ったSS3でアクシデントが最後まで響いたかたちだ。
デイ3の午後からペースアップに成功しこのデイ4もステージ3番手と2番手、パワーステージでも4番手タイムを刻みボーナスポイントを手に入れた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)を振り切っての総合5位入賞を果たした。ラリー1デビュー2戦目のグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)が総合7位、僚友のピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は8番手からふたつポジションダウン。彼に代わってアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)が総合8位に入った。次戦ラリージャパンでプーマ・ラリー1を駆るフルモーはRC2カテゴリーを制している。WRC2クラスのウイナーは総合9位に入ったニコラ・シアマン(シュコダ・ファビアRSラリー2)だ。
前戦チリでのマニュファクチャラーズタイトルに続いてドライバーとコドライバーのシリーズチャンピオンも決定し、さらにはWRC2クラスでアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2)の2年ぶり2度目のシリーズ制覇が確定した2023年のWRCは、次戦日本ラウンドでフィナーレを迎える。最終戦『フォーラムエイト・ラリージャパン』の開催日は11月16~19日だ。