「パワーがありすぎて、スロットルを100%まで踏めたのは多分2回ぐらいしかなかったよ(笑)。あとはほとんど刻むようにペダルを触っていただけだ。このパワーは最高だね。現実のものとは思えない、唯一無二のマシンだよ」
そのSTARD製“electRX”は、10月26日開催のブカレスト市街地でのイベントで初の実戦デビューした。このストリート競技は同国スーパーラリー・シリーズの最終戦でもある”CNスーパーラリー”で、サーキット車両やヒルクライムマシン、そして内燃機関搭載のラリーカーなど、ルーマニア全土のあらゆる形態の競技車両がエントリーする。
このイベントでEVフィエスタをドライブするのは、ルーマニアのTVスターでありレースドライバーの顔も持つダニ・オティルで、現在スーパーラリー・シリーズのランキングで2位につけている実力派。そのオティルのドライブにより、クラスを越えオーバーオールでの総合優勝を狙った。
STARDのCEOであるミヒャエル・サコビックは、このEVプラットフォームは「汎用性が高く、他の用途にも広く対応できる」と、その可能性を説明する。
「我々が開発した、この完全電動パワートレインの“REVelution”は、実質的にあらゆる種類のレースカテゴリーで採用可能なシステムだ」と続けるサコビック。
「ブカレスト市内中心部でのイベントは、このパワートレイン・システムの汎用性を証明する最高の舞台であり、また重要なテストケースにもなる。そこではサーキット競技車からヒルクライム車両、現役のラリーカーまであらゆる種類のレースカーとシティコースで競うことになる。もちろん、ラリークロス用のレイアウトとは条件も特性も大きく異なる」
「我々としても、市場で最も手頃な価格で、柔軟性の高いEVモータースポーツ・パワートレインを開発したと考えているし、次の数か月を通じてさまざまな機会、さまざまな方法でこれを実証したい。すべてはまだ始まったばかりだからね」


