そのセミ・ファイナル1はオープニングラップから接触、横転、コース外走行多発でマシンのパーツ飛散エフェクトが絶えない荒れた展開となるも、WorldRX王者ティミーと競り合ったSVGや、混乱をくぐり抜け首位快走のブロンクビストらがファイナルへと進出。同じくセミ・ファイナル2は弟ケビンとRX2 International Series参戦中のヘンリック・クログステッドのプジョー208WRX勢が最終決戦へと駒を進めた。
一方、イベントのスターゲストとなったフェラーリ所属のルクレールは、Q2のオープニングでジョーカーを終えたグエリエリにノーブレーキで追突し、Q3では純白のプジョー208WRXがロールオーバーする苦難を経験するも、すべての予選ヒートで混戦のトラフィックを経験しながら光るスピードを披露。
ウエット路面のQ4では初のセッショントップを記録するなど見せ場を作りながらも中間結果では12番手となり、VASCからゲスト参戦のスコット・パイや、Monster Energy GCK RX Cartelのバッケルド、ALL-INKL.COM勢のシャイダーやグエリエリとともに、惜しくもデビュー戦でのセミ・ファイナル進出を逃す結果となった。
ハンセン兄弟やクログステッド、そしてBMWファクトリー契約ドライバーのブロンクビストらが顔を揃えたファイナルは、腕のあるドライバー勢の緊迫した勝負となり、6周のレースで一度も首位を譲らなかったSVGが“ライト・トゥ・フラッグ”でのラリークロス初勝利を手にした。
「あのメンバーでのレースは本当に楽しいものだったよ。僕にはサーキット・カテゴリーでの友人はたくさんいるが、このイベントを前にハンセン兄弟とオンラインでチャットをしながらたくさん練習を積んできたし、彼らからジョーカー消化のヒントを得ることもできて最高だった」と喜びを語ったSVG。
「このイベントに参加したドライバーは全員速く、本当に白熱したヒートがたくさんあった。とくにシャルル・ルクレールのドライビングは本当にクールだったね。参加できて本当に楽しかったし、スケジュールが許せばまた必ず戻って来て、ふたたび楽しい時間を過ごしたいと思っている」
一方、混走だったこれまでの2戦とは異なりプロゲーマー専用のセミ・ファイナル、ファイナルも実施され、トップクラスのSimレーサー10名が参戦。フランス出身プロゲーマー兄弟の長男クエンティン・ダロルモが勝利を飾り、弟で『DiRT Rally 2.0』の現ワールドシリーズ王者でもあるキリアン・ダロルモが3位、その間に割って入ったチェコ出身のルカシュ・マテハが2位となっている。

