ヨーロッパではERC(ヨーロッパ・ラリー選手権)がすでに再開し、WRCも間もなくラリー・エストニアでリスタートする。

「ERCのイタリア戦は最終的に無観客となりましたが、観客を入れる前提で立派なプロトコルを作っていました。また、WRCエストニアでの観客コントロールもすごく参考になると思います」

「来年の我々のイベントは15カ月先ですが、それまでに社会がどう変容しているか、どこまで(新型コロナを)許容できる社会になっているか、あるいはワクチンや薬ができているかなどによって、対策は変わってくると思います。我々が一番見なければならないのは、東京オリンピックのやり方です。いろいろなイベントを参考にしながら、時間ができたことによっていい方向に行くようにしたいですね」

 ラリージャパンは本来2019年からの3年開催契約をWRCプロモーターと締結していた。来年はその3年目となり、少なくとも来季に関しては開催が保証されている。しかし、それ以降はどうなるのだろうか?

「2019年に開催できていれば今年は2年目、来年は3年目だったのに、まだ1度も実現できていないのは、コロナの影響があったとはいえ、我々の力不足もあると考えています。楽しみにしてくださっていたファンのみなさんには本当に申し訳ない気持ちです。しかし、6月に発表された来季の開催国のなかに、日本はしっかり入っていますし、少なくとも来年は必ずできると考えています」

「WRCプロモーターとは修正契約をいま話し合っているところです。まだ細かなことはお伝えできませんが、彼らも日本で長くやっていきたいと言ってくれていますし、我々も東アジア地域を担う国として、長く続けられるように努力していきます」

 オンライン記者会見では、来季のラリージャパンは基本的に今年のフォーマットを踏襲するとアナウンスされた。しかし、時間的な余裕ができたことで、開催実行委員会はさらなるブラッシュアップを考えているようだ。

「コースをさらに見直すことができると思いますし、時間がなく、充分にできていなかった観客席や来場者の予想計画なども改善を続けます。たとえば、山中のステージにファンをもっと入れるようにできないかなど、1年伸びた時間を有効に使い、各自治体様と協力しながらやっていきたい。お客さんにとって、いい形になるようにしたいですね」

 当初の計画では、モリコロパークの広大な駐車場にサービスパークを展開し、サイクリングロードをSSとして使う予定だった。しかし、モリコロパークでは2022年開業予定のジブリパークの工事が間もなく本格化。果たして来年の11月にラリージャパンの会場として使用できるのか? という疑問が残る。

「工事が始まるのは事実ですし、来年モリコロパークをサービスパークとして使用できるかどうかについては、いま議論をしているところです。ただ、サイクリングロードや中の広場など、ラリーの会場として素晴らしい施設があるので、仮にサービスパークとしては使用できなくても、スーパーSSをやることは可能なのではないかと考えています」

2020年WRC第3戦メキシコ。レース再開後はヒュンダイにとって有利な環境が続く。
2020年WRC第3戦メキシコ。レース再開後はヒュンダイにとって有利な環境が続く。

■カレンダーの変更でヒュンダイ有利の展開に

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