「今年のラリー・モンテカルロに向けての準備作業は、新たな役割を担う私にとって、これまでとはまったく違う感覚だ。ワークショップでクルマを前にした時、それをどう運転するかではなく、開幕戦に向けてチーム全員の準備が整っているかを確かめる作業だからね」と語るのは、2021年からTOYOTA GAZOO Racing WRTの指揮をとるヤリ-マティ・ラトバラ新代表。
「チームはとても良い雰囲気だ。昨年の今頃はドライバー全員が初めてヤリスWRCでラリーに臨むことになったが、それでもセブ(セバスチャン・オジエ)とエルフィン(・エバンス)が優勝争いに加わった。今年、彼らはクルマにかなり慣れているので、昨年よりもいい状態にあると思う」
「知ってのとおり、モンテカルロはおそらく1年でもっとも難しいラリーだ。つねにサプライズがあり、天候が戦いを大きく左右することもある。しかし、我々は充分な準備ができていると感じている」
事前のテストでは、あらゆるタイヤを試すことができたとラトバラは説明した。
「タイヤサプライヤーが変わるのは大きな変化だ。だから、モンテカルロに向けた今回のテストでは、新しいピレリタイヤに慣れることと、クルマのセットアップを正しく行うことに重点を置いた」
「テストを実施したエリアはとても雪が多かったが、さまざまなコンディションであらゆるタイヤのオプションを試すことができたので、ラリーに向けて貴重な情報を得ることができたと考えている」
2014年から19年まで、モンテカルロ6連覇という偉業を達成したオジエは、「僕が1番勝ちたいラリーがモンテカルロであることは、誰もが知っていると思う」とコメント。
「毎年、ラリーの現場でファンの皆の大きなサポートを受けてきた。今年はその姿が道端になかったとしても、テレビの前で応援してくれると信じているし、皆を喜ばせたいと思っている」
2020年はドライバーズタイトルを目前で逃す形でシーズンを終えたエバンスは、「チーム加入初年度だった2020年は、とても大きな手応えを感じた1年」だったとふり返りつつ、「未知なる部分が少し残っていたのも事実だ」と付け加えた。
「それから12ヶ月が経過した今、自分を取り巻く環境にも慣れてきたので、よりリラックスして1年をスタートすることができる」
成長著しい若手のロバンペラは「(昨年は)あまりにもシーズンが短く、このクルマで多くの距離を走ることができなかった。だから、今年はより長い距離を走り、フィーリングがさらに良くなっていくことを期待している」と語った。