明けた日曜のQ4でもふたたびクリストファーソン、ティミーのふたりが最上位を占拠し、ともにセミファイナルに向けたポールポジションを得ると、そのままセミファイナル1でトップチェッカーを受けたティミーに対し、セミファイナル2に挑んだクリストファーソンはヒート開始直後のパンクによりまさかの終戦に。
このライバルの不幸により、予選ヒートで一度もトップ3に絡めないという苦戦を強いられていた開幕勝者ケビンにファイナル進出の扉が開くことになり、ハンセン兄弟が決勝フロントロウスタートを確保した。
週末最後の6周勝負では、セミファイナル1を2位通過していたアブリングのルノーが、開始直後のジョーカーラップ消化戦略が裏目に出てクリスティアン・サボー(ヒュンダイi20RXスーパーカー/GRX-SET World RX Team)に終始抑えられる展開に。これでライバル不在となった兄ティミーがホーリエス初優勝を手にし、弟ケビンが2位に続いて世界戦での2戦連続兄弟ワン・ツーを達成する結果となった。
「僕は長い間、ここで勝つことを試みてきたし、何度も何度もその栄冠に『超接近』したことがあった。そして今、やっとその夢を実現したんだ! 魔法の瞬間のようで、本当に幸せだよ」と、悲願成就の喜びを語ったティミー。
「勝負が続くことを楽しみにしていたから、ヨハンがファイナル進出を逃したことは残念だった。でも僕らの側から見ればすべてがスムースに進んだし、ここまでのペースには満足している。冬の間のすべての努力が報われたね」
そして最終的にサボーを攻略して自身初のWorldRX表彰台を獲得したアブリングも「まずティミーとケビンにおめでとうを言いたい」と、兄弟を祝福するコメントを残した。
「僕も兄と表彰台を共有したいんだけど、残念ながら兄がいない。妹はいるが、そんなに速くはないからね(笑)。冗談はさておき、今週は予選ヒートから一貫して速さがあり、愚かなミスを犯すこともなかった。決勝でもサボーに遅れを取らなければ、勝利に向けプッシュできたかもしれない。でも今は最初の表彰台獲得をうれしく思うよ」
一方、このラウンドが開幕戦となった『Euro RX1』は、予選最速だった2017年王者アントン・マルクランド(フォルクスワーゲン・ポロRXスーパーカー)を逆転したトーマス・ブリンテソン(フォルクスワーゲン・ポロRXスーパーカー)が制覇。シリーズカムバックで話題となった人気ドライバー、アンドレアス・バッケルド(シュコダ・ファビアRXスーパーカー)は、予選ヒートのドライブシャフト破損から這い上がり、復帰戦を3位表彰台で飾っている。
引き続き電動ワンメイク・クラスの『RX2e』ことFIA RX2eチャンピオンシップと『Euro RX1』『Euro RX3』が併載されるWorldRX第3戦は、フランス・ロエアックを舞台に約2週間後の9月3~5日に争われる。


