一方、これがエクストリームE用電動SUV初体験となったファウストは、最初から積極的にセットアップ変更を繰り返すなど、エレクトリック・モータースポーツ車両を学習する意欲を示した。
「本当に良い学びの時間になった。長いトラベル量を持つサスペンションだけに、スプリングやアライメントの変更を試し、電気による前後のトルク配分方法を変更するなど、僕らふたりにとって新しい領域での変更を加え、多くを試すことができた」と続けたファウスト。
「これは本当に『4次元的』な理解が求められるね。ステアリング操作で舵角を与えていった際にどこにどれだけの電力が送られるかを判断し、知覚しなくてはならない。でもそれはある意味『こんなこと、できたらいいのに』が具現化された、夢のような体験だ。まさに今、それを試しているんだよ!」
チームは最終戦で使用する予定のルートをいくつか走行し、引き続きふたりでマシンをシェアしながらセットアップのバリエーションを増やす作業に没頭した。
「現在、ほとんどのラリーカーやラリークロス車両にはセンターデフすらないが、フロントにモーターがあり、リヤにもモーターがあるから、各モーターがどれだけのパワーを与えているかを判断することができる。それが単なるスプリングレートやダンパーのクリックよりはるかに大きな違いをもたらすんだ」と続けた、ドリフト界の第一人者でもあるファウスト。
「これほど混沌としていて、マディで、ぬかるんだコースでも、ハンドリングに大きな違いがあることを感じるのは興味深いことだったね。凍えそうだったから、コンディションの悪さによりデータが少し損なわれたけど、それでもとても楽しかった」
「2022年の新しいパーツをテストし、実際に来季のコース設定とイベントの雰囲気がどうなるかを想像するのは本当にクールな体験だったよ」