デイ2で復調のきっかけを掴んだロバンペラは、その後サービスでセッティングをさらに変更して競技3日目に臨んだ。これが奏功し21歳のフィンランド人はクルマに対する自信が深まり本来の速さを発揮。オープニングのSS9からトップ3に入るタイムで走り続け、デイ3終盤のSS12、SS13では連続ベストタイムを記録した。
この結果とデイ3で相次いだアクシデントにも助けられ、ロバンペラは前日の総合9番手から4番手に大きくポジションを上げることに成功した。総合3番手につけるクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)とは37.8秒差だ。
TOYOTA GAZOO Racing WRT・ネクストジェネレーションから参戦している勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS12終了時点で総合5番手につけていたが、1日の最後のステージの凍結した部分でスライドし、マシンが側溝にはまってしまった。スペクテーターの助けでコース復帰することができたが、タイムを失いポジションを総合13番手に下げている。
「今日はトヨタGRヤリス・ラリー1がその素晴らしいパフォーマンスを発揮した」とデイ3の全ステージ制覇を喜ぶのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「ドライバーたちはクルマにかなり慣れてきて、限界までプッシュできるようになってきたと思う。システロンのステージ(SS11/SS13)はトリッキーなコンディションだったが、セブ(セバスチャン・オジエ)はその2本目で素晴らしい走りをし、最終日に向けて大きな差を築いた」
「また、ラリー序盤は苦労していたカッレ(・ロバンペラ)も、今日は2本のステージ優勝という素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたので、非常に励まされる1日だった。エルフィン(・エバンス)は、小さなミスが大きなタイムロスにつながってしまった。ステージのもっとも難しい区間では素晴らしい走りをしていただけに残念だね」
「明日も最後までリードが保たれることを期待しているが、もしそうなれば、とても良いシーズンのスタートになるだろう」
トヨタGRヤリス・ラリー1のデビューウインが掛かる競技最終日の23日(日)は、デイ2の実施エリアと一部が重なるフランスの山岳地帯で、2本のステージを各2回走行する。SS15の再走ステージとなる最終SS17はステージトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”だ。SS14~17のステージ合計距離は67.22km、リエゾン(移動区間)を含む1日の総走行距離は298.41kmとなっている。




