そんなエバンスを尻目に、大会連覇を狙うヌービルが1日の終盤に総合トップを奪った。ヒョンデのダブルエースのひとりである彼は、SS1でオーバーシュートを喫し10秒以上の後れを取ったほか午前中はセットアップに悩まされ、本来のペースを発揮することができなかった。
しかし、ミッドデイサービスでセットアップを変更した彼は午後に調子を取り戻し、SS5からSS8にかけて4ステージ連続でベストタイムをマーク。SS7を終えた時点で総合3番手から順位をふたつ上げると、1日の最後のステージでは総合2番手につける僚友タナクとのギャップをわずかに拡げている。
「午前と午後ではマシンのハンドリングが全然違った」と語ったヌービル。
「もう少しスピードを出せる部分がある気がするが、全体的にとくに午後の走りにはとても満足している」
「我々のウェザーチームは非常に正確な情報を持っていて素晴らしい仕事をしてくれた。僕は自信を持って彼らの予測を信じることができた。これは今日のような日にはとても重要なことだ」と彼は付け加えている。
1日の大半を総合2番手で過ごしたタナクはSS3とSS5でベストタイムをマークした他、その他のステージでもトップ3タイムを刻み続けた。SS8を終えた時点で首位を行くチームメイトとのタイム差はわずか2.5秒だ。
8年ぶりのイープル・ラリー出場となっているトヨタのエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)はトップから37.3秒、チームメイトのエバンスから23.6秒遅れての総合4番手につけている。
その後方にはMスポーツ・フォードWRTのクレイグ・ブリーンとガス・グリーンスミス(ともにフォード・プーマ・ラリー1)が続き、ギアボックストラブルで遅れたオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合7番手に入った。彼と8番手のアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)は、総合トップからのギャップが約2分となっている。
TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションから出場の勝田は、午前中にミッショントラブルに見舞われ大きくタイムを失ってしまう。この影響で総合18番手でラリー初日を終えることとなった。WRC2クラスに参戦している福永修(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)は総合46番手でデイ1を終えた。
20日土曜のデイ2は、イープルのサービスパークを中心に4本のステージを各2回走行していく。計8本のSSの合計距離133.22kmは今大会最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は269.05kmとなる予定だ。