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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2022.11.09 21:53
更新日: 2022.11.09 21:55

【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦ドライバー紹介/Vol.5『ティエリー・ヌービル』

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ラリー/WRC | 【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦ドライバー紹介/Vol.5『ティエリー・ヌービル』

 このうち、ニュージーランドとサルディニアの2戦で同じくシトロエンのサテライトだったカタールWRTから参戦したことも契機となり、翌2013年はMスポーツ陣営の支援にスイッチしたカタールともども、本格フル参戦の機会を求めて移籍を決断する。

 新天地フォードで全13戦にエントリーしたヌービルにとって、豊富なテスト機会が提供されるなどマイレージを稼げたこと、そして当時の『フィエスタRS WRC』が相対的に戦闘力を有していたことも奏功し、第3戦メキシコの自身初表彰台を皮切りに、ギリシャ以降は5戦連続、そしてすでに翌年の電撃移籍を表明していた最終戦GBでもポディウムに登壇。開幕戦モンテカルロと第4戦ポルトガル以外は全戦トップ5という安定した戦績を残した。

 この実績により2014年からWRC復帰を果たしたヒョンデにエース待遇で迎えられると、シェイクダウンで大クラッシュを喫した第9戦ラリー・ドイチェランドでは、僚友ダニ・ソルドを従えワン・ツーでのWRC初優勝を成し遂げた。

 以降のシーズンでは、一時期ワークスノミネートを外れるなど不遇をかこった時期もありつつ、2017年から3年連続でチャンピオン候補として戦いランキング2位を記録。しかし通算16勝を挙げながら、王座に向けここ1番というラリーでクラッシュやトラブルに見舞われるなど、WRCでのチャンピオン誕生を待ち望む母国ベルギーや世界中のファンをヤキモキさせるシーズンが続いている。

 ただ、出身国が育んだターマック・ドライビングの精度は本物で、2019年にはTCRドイツ・シリーズのニュルブルクリンク戦にワイルドカード参戦し、いきなり予選コースレコード樹立からのポール・トゥ・ウインを飾るなど、ローブ&オジエの“セバスチャンズ”同様の起用さと、ラリードライバーらしからぬブレーキングの繊細さを兼ね備える。

 そのフランス出身チャンピオン経験者らと同様に、フロントタイヤのリミットを追求するスタイルで、2021年にはWRC初開催となった地元の名物イベント、イープル・ラリーを制し(大先輩ロイクスが7勝を記録するイベントでもある)ファンを沸かせたが、同じくターマック戦となるラリージャパンでも、その鮮烈なスピードを披露してくれるはずだ。

今季の第10戦アクロポリスでは、フォード陣営の脱落で1-2-3フィニッシュを達成した

2019年にはゲスト参戦したTR規定ツーリングカーでポール・トゥ・ウイン。WTCR参戦計画まで浮上した
ターマック戦となるラリージャパンでも、その鮮烈なスピードを披露してくれるはずだ


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