明けた日曜のヒート3とヒート4、そしてセミファイナルと最後の決勝も、その言葉どおり270kW(約367PS)を発生する4輪駆動ワンメイク車両のキャラクター習得に努めた絶対王者は、セミファイナル1のスタートで出遅れ窮地を迎えるも、ここでなんと僚友クリスチャン・ベイビーが派手なバレルロールを演じてヒートは赤旗中断に。

 これで仕切り直しのチャンスを得たクリストファーソンは、そのまま勝利を飾ってファイナルに進出すると、スタート直後の1コーナーで接触されサスペンションのダメージを負ったものの、追撃を振り切って貫禄のトップチェッカーを受けた。

「なんて週末だろうね! ペースという点では、おそらく今年これまでで最高だった。以前にこのクルマのテストを経験しているけど、競争の激しい実戦の状況では挙動もまったく異なり、決勝は全然簡単じゃなかった」と謙虚に語った世界チャンピオン。

「最初のターンに突入した後、リヤで何かが壊れていると感じた。そこからクルマはあちこちに向かおうとしたが、ストレートでスピンしないよう必死でコントロールしたよ(笑)。でもすぐに最適なドライビングを把握し、適切なペースを維持することができた。勝利を持ち帰ることができてうれしいし、完璧な結果だったね」

 一方、トラック上ではレギュラー参戦組のオーレ・ヘンリー・スタインショルト(同名チーム)の背後でフィニッシュラインを通過したコチュリンスキーが、前走者に接触による12秒のペナルティが科せられたことで「最高になりたいなら、まず最高の選手に勝つ必要がある」と戦前に語っていたまさにその相手であるクリストファーソンの隣で、ポディウムに登壇することとなった。

「ヨハンとクルマをシェアするのは慣れているけど、ラリークロスで直接対戦するのは初めてなのでとても興奮していた。ケビンやティミーたちとも一緒に走ることで、さらに多くのことを学べると確信していたわ」と、今季は開幕戦からRX2eに参戦を続けてきたコチュリンスキー。

 一方、トラブル続きの週末を送ったティミーはファイナルでも最終周でマシンを止め、弟のケビンもセミファイナルでの敗退と、兄弟揃って無念の結果に終わっている。

 依然として火災原因の究明を急ぐシリーズだが、続くWorldRX第6戦は8月19~20日のドイツ、エスターリンクでの開催が予定されている。

「短いフリー走行セッションが数回しかないから、多くの才能あるドライバーが現場にいる場合には、すぐに波に乗ることが重要」と語っていたコチュリンスキー
「最初のターンに突入した後、リヤで何かが壊れていると感じた。そこからクルマはあちこちに向かおうとしたが、ストレートでスピンしないよう必死でコントロールしたよ(笑)」とクリストファーソン
世界的トップドライバーの男女ふたりが盤石の1-2を飾っている

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