トヨタ勢による首位争いは、接近戦のままレース終盤へ向かう。レース残り2時間を切った直後、LMP2の28号車オレカ07・ギブソンがクラッシュ。レースは2度目のフルコースイエローを迎える。
トップを走る8号車トヨタは、このフルコースイエローのタイミングでルーティンのピット作業を行うと、40秒以上の大量リードを築くことに成功。総合首位のままコースへ復帰した。
一方、すでにルーティンピットを済ませていた7号車トヨタは、2号車ポルシェ919ハイブリッドに交わされ、一時3番手に後退。即座に反撃しポジションを奪い返したものの、トップの8号車トヨタとは30.535秒差、3番手の2号車ポルシェとは1.433秒差でレース残り1時間を迎えた。
フィニッシュまで1時間を切ると、スパには小雨が降り始める。各チームは天候の悪化に備えるが本降りにはならなかった。
ここでもレースペースでは総合2番手の7号車トヨタがライバルを圧倒。早々に2号車ポルシェを振り切ると、暫定トップにつける8号車トヨタに迫っていく。
レース残り30分となった段階で、8号車トヨタと7号車トヨタのギャップは約17秒。各車が最後のルーティンピットを終えると、チェッカーまで残り10分の段階で、優勝争いは6秒差まで接近した。
その後も7号車の最終スティントを任された可夢偉は前を走るブエミを交わすべく猛追すると、両者は約2秒差でファイナルラップに突入する。
可夢偉はオーバーテイクのチャンスを伺うが、ここはバックマーカーを巧みに使ったブエミに軍配。ブエミは最終的に1.992秒差で逃げ切りトップチェッカー。第1戦シルバーストンに続き開幕2連勝を飾った。
総合2位はホセ-マリア・ロペスの負傷欠場で、ふたりのドライバーで走りきった7号車トヨタが続き、トヨタにとって2014年の第6戦上海以来となるワン・ツーフィニッシュを達成した。
ポールポジションを獲得する速さをみせたポルシェ勢は、2号車(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー)がパンクや他車との接触によるマシンフロント部の交換などロスタイムがありながら3位表彰台。ポールシッターの1号車(ニール・ジャニ/アンドレ・ロッテラー/ニック・タンディ)が4位に続いた。
6月のル・マン24時間を見据え、ローダウンフォース仕様で挑んだトヨタの3台目、9号車(ステファン・サラザン/国本雄資/ニコラス・ラピエール)は2周遅れの5位入賞。次戦のル・マンに向けて貴重なデータを収集している。
LMP2クラスは、ポールシッターのGドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソン(ロマン・ルシノフ/ピエール・ティリエ/アレックス・リン)がポール・トゥ・ウィンを達成。クラス2位にヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソン、クラス3位にジェッキー・チェンDCレーシングの38号車オレカ07・ギブソンが続いている。
LM-GTEプロクラスはAFコルセのフェラーリ488GTE勢がライバルを圧倒。71号車がクラス1位、51号車がクラス2位で、ワン・ツーフィニッシュ。クラス3位は66号車フォードGTだった。
LM-GTEアマクラスはアストンマーチン・レーシングの98号車アストンマーチン・バンテージが優勝。澤圭太もドライブするクリアウォーター・レーシングの68号車フェラーリ488GTEはクラス3位だった。
WEC第3戦は伝統のル・マン24時間。6月4日に公式テストデーを迎え、決勝レースは6月17〜18日に行われる。
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