ELMS第2戦ル・カステレ、勝てたレースを給油作業の手違いで逃した佐藤万璃音の不運

 2023年シーズンよりELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属25歳)が、5月3~4日にフランス、ポール・リカール・サーキットで開催された2025年ELMS第2戦『4 HOURS OF LE CASTELLET』に参戦。レース終盤にはオーバーオールでの優勝すら見えていたポジションでしたが、最後のピット作業で作業の手違いが発生。わずか3秒の給油不足が原因で終盤にガス欠となり、無念の緊急給油ストップ。残念ながら総合7位、クラス5位という結果に終わりました。

 今季2025年から自身のキャリアでは初めてとなるLMP2プロ・アマクラスに参戦中の佐藤万璃音は、ブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手、プラチナドライバーのオリバー・ジャービス選手とともに21号車オレカ07・ギブソンでの参戦となります。最初のフリー走行(FP1)ではオリバー・ジャービス選手が1分51秒998をマークしていましたが、FP2では佐藤万璃音が1分50秒813とタイムアップ。予選はルールによってブロンズドライバーのダニエル・シュナイダー選手がアタックし、1分53秒495で5番手タイムをマーク。クラス3列目スタートとなりました。レースのスターティングドライバーも彼が務めました。

 4時間耐久レースはLMP2、LMP2プロ・アマ、LMP3、LMGT3の4カテゴリー44台が混走するレースです。佐藤万璃音がエントリーするLMP2プロ・アマクラスは、実際のサーキット上では同じ車両を使用するLMP2クラスのプロドライバーたちとも戦わねばなりません。レースはスタート時刻あたりから路面コンディションが悪化し、一部濡れてはいるものの、乾きそうな天候でした。各チームはタイヤ選定に頭を悩ませます。

 結局LMP2クラスは2台がウエットで残り全車がスリック、LMP2プロ・アマクラスは上位3台がスリックタイヤを装着しましたが、4番手のマシンと21号車はウエットタイヤを選びました。

 結果的には路面はなかなか乾かず、ウエットタイヤ装着が正解で、21号車は総合4番手へとポジションアップ。しかしセーフティカーが導入されたことで後続車から奪ったリードが帳消しとなり、その後、オリバー・ジャービス選手、佐藤万璃音が快走を見せましたが、オリバー・ジャービス選手から佐藤万璃音選手に交代するときに、本来であれば18秒の給油時間を予定していたにも関わらず、15秒経過した時点でレースに復帰させてしまう手違いが発生。

 その結果、実際の燃料搭載量が3周分ほど足らなくなり、佐藤万璃音はトップを追い詰める速さを見せながら、最後は燃費走行を強いられ、かつ終盤にはあと1・5周分のスプラッシュ給油のためにピットイン。結果総合7位、プロ・アマクラス5位でチェッカーを受けました。

●佐藤万璃音のコメント

「悔しいですね。勝てたレースでした。総合4番手を走っていて、オリバー・ジャービス選手から自分に交代する時のピットで手違いが起きて、本来であれば18秒の給油が必要だったはずですが、15秒で切り上げてしまったのです」

「コースインした僕が各スティントで1周燃料をセーブして走れば足りると思っていたのですが、3周分足りないとわかって……。トップを追い上げていたし、そのペースは全然あっただけに、ペースを落として抜かれるくらいならイエローを待とうと頑張ってマネジメントしながら走ったのですが、トップが4時間まで残り10秒でコントロールラインを通過したので、実質1周増えたことで、自分たちは1・5周分の燃料が足りなくなってしまった。残念です」

「今日はタイヤ選択が当たって、ダニエル・シュナイダー選手が頑張ってポジションを上げたのに、セーフティカーでリードした部分も消され、セーフティカー中にピット入口が閉鎖されていたために給油もできず、アドバンテージもなくなるなか、オリバー・ジャービス選手がふたたび追い上げ、いい感じで自分に繋いでくれただけに、絶対に勝てると信じて走ったのですが、ダメでしたね」

「このところ勝てるレースで不運に見舞われる事が続いているので、次のレースでは必ずリベンジできるように頑張ります。応援ありがとうございました」

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