昨季まで日本のレースを中心に活躍していた中山雄一は2025年、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパやWEC(FIA世界耐久選手権)など、活動の舞台を海外のGTレースへと移した。彼は現在もTOYOTA GAZOO Racingと深いつながりを持ちながら、新たなチャレンジに挑んでいる。
今回は『TGR WEC inDepth』の番外編として、6月のル・マン24時間レースにアコーディスASPチーム(LMGT3クラスにレクサスRC F GT3で参戦)のリザーブドライバーとして帯同した中山に、サルト・サーキットで話を聞いた。
■海外でレースする姿は「あまり想像できていなかった」
──はじめに、昨年いっぱいでスーパーGTでの活動を終えることになった理由と、海外レースへのチャレンジが決まった経緯を教えてください。
中山雄一:去年、最終戦鈴鹿が終わった次の日にトヨタ自動車に行きまして、そこで『来年GT500はありません』と伝えられました。その前から噂のようなものは聞いていたので、まぁそうなるのかなとは覚悟はしていました。
オートポリスでは優勝できたし、GT500でやり残すことはないようにしようという気持ちで最終戦に挑んだ次の日でしたが、部屋に入ったらトヨタ自動車やTCD(トヨタカスタマイジング&ディベロップメント。現TGR-D)のそうそうたる面々がいらっしゃって。何が起こるのだろうかとビビっていたのですが、そこでGT500の話に続き『海外での経験をこれから増やしていきましょう』という、すごく前向きでスケールの大きなお話しをいただきました。
