2日のメディア・ブリーフィングでは、今年のル・マンで発表した2020年規則も見直していくことが明らかになった。この規則はプラグインハイブリッドやEV走行の義務付けなど、技術としてはさらに“過激化”していく方向性のもの。
技術を磨きたいトヨタとしては歓迎方向の規則だったようにも思えるのだが、その見直し決定についても「長く続けるためには、費用の高騰はある程度抑えなければいけませんから、まっとうではないでしょうか」と賛同の立場をとる。
「次から次へと新技術を投入するのもいいですが、それが何のための規則なのかを考えなければいけません。市販車に必要のない技術までは、やらなくていい」というのがその理由だ。
カレンダーが“ウインターシリーズ化”してル・マンが最終戦になることについて村田氏は、「誰が見てもル・マンが“ゴール”だから、いいと思います。最終目標に向かって、テストもレースも使いながら磨いていくことは、あるべき姿だと思います」と語った。
今回の決定により、ハイブリッドを搭載しなくても最高峰クラスで戦えることになり、ローコストでの参戦を希望しているプジョーなどは、スポーツカーレースに復帰しやすい状況が整ったとも言える。
トヨタにとっても、アウディ、ポルシェに代わるライバルメーカーが登場すれば、この先の活動を続けていく“大きな理由”にもなる。
トヨタが翌年のモータースポーツ活動全体の決定を下すのは例年9月で、「そこに向けて、会社のなかで議論している最中」と村田氏は言う。10月のWEC富士戦の頃には、トヨタの来季について何らかの発表があるだろう。