さらに、そうした動きと異なる方向からアプローチを見せるのが、オープンソースのプロジェクトとして予てからスポーツカー耐久のプランを発表してきた英国のペリンだ。
活動実態をWEB上のオープンソース・ネットワークに置き、設計開発者集団として技術ソリューションを提供するペリンは、過去にもプロトタイプ・カテゴリーの車両設計を幾度かアナウンスしてきたが、今回10月17日にアナウンスされた「プロジェクト424」と呼ばれるマシンは、既存のシャシー設計を活用しながらも完全に”エレクトリック”とされている点が新しい。
この特徴的なプロジェクトでは、ル・マンを筆頭にニュルブルクリンク、ポールリカール、COTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)の各EVコースレコードを、それぞれ15〜25秒は更新できる性能を有しているとされ、2017年の計画発表を経て2018年のル・マンにモックアップを展示。その年の暮れまでには2台のマシンを完成させ、19年から本格参戦というロードマップを描いている。
このフルEV-LMP1は500kgのシャシーに600kgのEVパワートレーンを搭載。フロント250kW、リア400kWで総出力600kWのモーターを備え、車体中央部には400kgにもなる54kWhのバッテリーを搭載する。
一方で、こうした暫定的とも思える新規チャレンジャーの出現が続くなか、現行唯一のLMP1マニュファクチャラーとなるトヨタだが、パドックの見方としてはハイブリッド開発での参戦意義が薄れることからも、活動存続が懸念されている。
ただし、同じように一部のジャーナリスト間の噂では、現状のTOYOTA GAZOO Racingとしてオレカとのタッグで参戦してきた形態は解消されるものの、トヨタ・ブランドとしては引き続きル・マンへのチャレンジが継続され、可能性が最大限に実現したとすれば、かつてル・マン参戦経験のあるトップチームそれぞれにニューマシンを託した、3台体制での参戦もあると囁かれている。

