2017年のル・マンでサルト・サーキットのレコードタイムを大幅に更新してみせた可夢偉も「今年の車両は、昨年と比べて大きな変更はありません」とその進化の幅が大きくないことを認めながらも、同時に「その戦闘力も、性能や信頼性の面でも素性はよく分かっている。また、昨年の学んだ多く経験も(ル・マンで勝つ)自信にもつながっています」と続けている。
可夢偉のチームメイトであるコンウェイは「目標はもちろんル・マンの勝利だが、できるだけ多く勝ちたいと思っている」とコメント。
「(冬の間)設計陣は軽量で速く、かつ信頼性の高い車両を開発するために緻密な仕事を進めてきている。そして僕たちドライバーはもちろんのこと、エンジニアやメカニック達は突発的のアクシデントにも対応できる周到な準備を積んできた。それでもまだ(勝利への)道のりは長いと思っているよ」
また、2016年に勝利を手にしたかと思われながら、まさかの結末に泣いた一貴も「とにかく万全の準備を整えなくてはいけません。ル・マンで勝つには、どんな技術的ミス、人的ミスも許されないからです」とル・マンの難しさを語る。
「それらを克服することは非常に困難な挑戦ですが、これまで成し遂げることができなかった、この大きな目標を達成することが我々に課せられた仕事なのです」
2017年オフのルーキーテストでトヨタTS050ハイブリッドを初ドライブし、今季のドライバーラインアップに加わったアロンソは、スポーツカーの最新鋭マシンを「素晴らしいレースカー」と評し、「LMP1ハイブリッド車両の技術は数年前には想像すらつかないものだった」と続けた。
「チームに感謝しながらも、このプロジェクトに携わる興奮を抑えきれないよ。今から、6月の本番が待ち遠しくて仕方ないんだ!」
「しかし、その前に多くの走行テストやシミュレーター訓練を行い、スパ・フランコルシャンでのレースをこなさなければならない。ル・マンを戦うにはそれだけの準備が必要になるんだ」
アロンソを加えた新しいドライバーラインアップと、これまで以上に信頼性、アクシデントへの対応力に対する準備を進めてきたトヨタは4月6~7日、他メーカーのLMP1マシンも一堂に会するプロローグ・テストに参加し、5月3日に開幕する第1戦スパ・フランコルシャン6時間レース、その先のル・マン24時間に向けた最終確認を行なっていくことになる。

