ちなみに919ハイブリッドに搭載されていたのは精密時計のように精緻なV4 2.0リッターエンジンだが、このため919ハイブリッドは85回を数えるル・マンの歴史のなかで最も排気量が小さなウイニングカーの1台となっている。

 言い換えれば、ポルシェが現在掲げる“インテリジェント・パフォーマンス”とのコンセプトは、70年近いポルシェのル・マン参戦で常に守り抜かれてきたものであると同時に、最新のポルシェ・ロードカーに息づく思想でもあるのだ。

マルティーニ・レーシングチームとして1971年に2度目のル・マン制覇を果たしたポルシェ917KH

 さて、919ハイブリッドによるル・マン挑戦は昨年限りで幕を閉じたが、ポルシェは今年もサルト・サーキットで繰り広げられる伝統の24時間レースに挑む。ポルシェ・ワークスチームがGTEプロ・クラスにエントリーするのは4台の911RSR。

 その水平対向6気筒 4.0リッターエンジンは、ロードカーの911GT3 RSに搭載されているパワープラントとほぼ同じながら、550psの最高出力を絞り出す。ロードカーと共通のテクノロジーでレースに挑むポルシェの伝統はここでも守られたのだ。

 ところで、現在のル・マン24時間は世界耐久選手権(WEC)の一戦に数えられているが、今季は特別に“スーパーシーズン”と呼ばれ、去る5月の第一戦スパ・フランコルシャンから来年、2019年6月のル・マン24時間までの全8戦からなる特別なカレンダーで運営されている。

 これは、2020年以降は6月のル・マン24時間を最終戦とするための特別な措置で、今季はシーズン中に2度のル・マン24時間が繰り広げられることからスーパーシーズンの名がつけられた。

 その緒戦にあたるスパ・フランコルシャンでポルシェ・ワークスのNo.92を駆るミハエル・クリステンセン/ケヴィン・エストレは2位、No.91のジャンマリア・ブルーニ/リチャード・リーツは4位と健闘し、メーカー別のマニュファクチュアラー選手権で現在ポルシェは首位に立っている。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースで2位となり、ランキングトップとなったポルシェ

 好調な滑り出しを示したポルシェ・ワークスチームがサルト・サーキットでどんな活躍を見せてくれるのか? 今年のル・マン24時間は現地時間の6月16日午後3時にスタートが切られる。

多くのメーカーが参戦するGTE Proクラスでランキング首位のポルシェ911 RSR

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