もうひとつ興味深いのは、911 RSRと911 GT3 Rがヴァイザッハにあるポルシェ・モータースポーツセンターで生産されるのに対し、911 GT3 カップはロードカーの911が生産されるポルシェ・ツッフェンハウゼン工場のラインで生み出される点にある。カップカーの年間生産台数は500台を超えるため、車両ごとの生産品質にばらつきがでないよう、市販車レベルでの生産品質管理がされているのだ。
現在のポルシェ市販レーシングカーのなかで唯一、911をベースとしていないのがケイマンGT4クラブスポーツだ。GT4はGT3のひとクラス下に位置するカテゴリーで、プロレース化が進行してコストが急騰しているGT3よりも改造範囲を狭め、車両価格をできるだけ抑えてエントリーとしての間口を広めている点に特徴がある。
すでにGT4に参戦するジェントルマンドライバーが続出しており、今後GT4がかつてのGT3のような地位を確立すると予想する関係者は少なくない。ケイマンGT4クラブスポーツの車重は1300kg。エンジンは3.8リッター水平対向6気筒で最高出力は385psで、入門用レーシングカーとして理想的なパフォーマンスの持ち主といえる。


