「ル・マンは厳しく残酷なレースの歴史でもある。残念ながら我々は今日、それを見せつけられることになってしまった」と語るのはレース最終盤に起こったドラマの中心にいたロペス。
「チームメイトのマイクと可夢偉の素晴らしいレースを誇りに思う。(本当に)素晴らしいレース内容だったよ。次のル・マンには、必ずやもっと強くなって戻ってきたいと思う」
チームメイトのコンウェイもまた落胆を隠せない様子で「ずっと目指してきたものが最後の最後に不運なパンクで水泡に帰し、とても受け入れがたい結果になってしまった」とコメント。
「これがル・マンなんだろうか。チームの全員、とりわけ7号車のクルーたちは素晴らしい仕事をしてくれた。終始トップを走ることができる車両に仕上げてくれたことがその証だ」
そして、可夢偉は「ル・マンで勝つことがどんなに難しく厳しいかを見せつけられました」と語り、「これまで4回チャレンジしましたが、来年こそは実現できるように頑張り続けます。全力を尽くして決して諦めないことです」と続けた。
「勝利を目指して本当に努力しました。23時間まではとても上手くいっていましたが、結果は厳しいものでした。8号車と今日の結果を目指して来た方々にはお祝いを申し上げます。24時間レースは完走も簡単ではありません。素晴らしい仕事でした」
■「最後まで7号車の方が速かったことは誰の目にも明らか」とブエミ
一方、連覇を果たした8号車のクルーのひとりであるアロンソはレース後、次のように述べた。
「2度目のル・マンで勝利を上げられて最高の気分だが、この勝利はまったく予測していなかった。今回、我々は7号車に対して勝てる速さは持っていなかったのだからね」
「今日の結果は運が大きく影響しましたし、それはモータースポーツの一面でもある」
「僕は彼らチームメイトをチームメイト以上の、友達だと感じている。彼らは勝利にふさわしかったですが、勝利の女神は我々を選んだ。僕たちの目標は世界チャンピオン獲得であり、それを達成できたことを本当に誇りに思うよ」
アロンソと同様に、運がレース結果を左右したと語るのは一貴だ。
「今年、ル・マンの勝利は実力と言うよりも運によって決まったと思っています。とても厳しいレースで、7号車に起きたことはとても信じられません」
「僕たちは2016年のル・マンでよく似た状況に遭遇しただけに、チームメイトの彼らがどんな気持ちなのかよく分かります」
「我々がル・マンで勝利を上げられたこと、そして世界チャンピオンになれたのは、チームメイトである7号車と互いにしのぎを削ってきたおかげですし、彼らとスーパーシーズンの長きにわたって切磋琢磨して来たことを本当に誇りに思います」
8号車のスタートドライバーを務めたブエミは「スタート時は7号車について行こうと思っていたが、僅か5周したところでそれは無理だと分かった」とコメント。
「我々は諦めずに力強く戦い続けたが、最後まで7号車の方が速かったことは誰の目にも明らかだった。7号車に起こってしまったことは本当に残酷だ。彼らは本当に素晴らしいレースをしていたのだからね」
双方にとって晴れ晴れとした結果とはならなかった2019年のル・マン24時間レースだが、この伝統の一戦での勝利によって8号車を駆るブエミ、一貴、アロンソ組のWECドライバーズタイトル獲得が決定。これによりトヨタはすでに確定していたチームチャンピオンとあわせて2014年以来、4シーズンぶりのダブルタイトル獲得を果たしている。



