フェラーリは、LMGTEプロクラスを戦うAFコルセの2台のフェラーリ488 GTE Evoにとって「失望する」レースとなった、先週のWEC世界耐久選手権第5戦バーレーン6時間レースを終えた後、今週末に開催されるシーズンエンドイベントの第6戦バーレーン8時間レースに向け、以前のバランス・オブ・パフォーマンス(BoP:性能調整)を復活させるよう求めている。
ル・マン24時間でクラス優勝を果たしたイタリアのブランドは、ランキングトップで迎えたWEC第5戦前に発表されたBoPによってパフォーマンスが抑制され、同ラウンドではライバルのポルシェ(ポルシェGTチーム)にワン・ツー・フィニッシュを許した。
それによりフェラーリは、マニュファクチャラー選手権での大量リードを失いランキング2位に後退。また、ドライバー選手権でも51号車フェラーリを駆るアレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド組と、ランキング2位につけるケビン・エストーレ/ニール・ジャニ組(92号車ポルシェ911 RSR-19)とのギャップが1ポイントとなっている。
それはGTEプロとGTEアマ両クラスのフェラーリが、FIAとACOフランス西部自動車クラブのいわゆる“ブラックボール”と呼ばれるルールによって、オートマチックBoPプロセスの外で行われた25PSに相当するターボブースト削減を受けたことによって生じた。
フェラーリのアッティビータ・スポルティーブ・ディレクターを務めるアントネッロ・コレッタは声明のなかで、バーレーン6時間レースの前に出されたBoPがシーズン最終戦では「復元」され、世界選手権タイトルを争うためにポルシェと「対等」に戦えるようになることを望んでいる、と述べた。
「レース前夜に述べたように、バーレーンでのBoPは我々のマシンにとって懲罰的であったことが先週のレースでのペースと結果で証明された」とコレッタ。
「いつもは美しくエキサイティングなレースの結果、これまでに獲得したリーダーシップを守れなかったことを残念に思う」
「最終戦では以前のように正しいBoPが復活し、世界選手権タイトルをかけて対等に戦えるようになることを願っている」
先週木曜日、コース上での活動前にこの変更について率直な意見を述べたカラドは、先月30日のレースではチャンピオンシップを争う立場に置かれていないと語った。