『サプライズ人事』とは、まさにこのことだろう。引き続きトヨタGAZOO Racing WEC(世界耐久選手権)チームのドライバーを務めながら、新たにチーム代表職を兼ねることが発表された小林可夢偉。そして現役を完全引退し、1月1日よりTGR-E(トヨタGAZOO Racingヨーロッパ。旧TMG)の副会長(バイス・チェアマン)に就くことになった中嶋一貴氏のことである。
2021年最終戦バーレーンを前に、WECレギュラードライバーからの勇退を発表していた一貴氏については、「WECチームの要職に就くのでは」という噂はたしかにあった。だがチームの枠を飛び越え、TGR-E経営陣に加わるという発表は想像の上をいくものであった。