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投稿日: 2017.06.05 19:40

関口雄飛 スーパーフォーミュラ第2戦岡山 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | 関口雄飛 スーパーフォーミュラ第2戦岡山 レースレポート

 日曜日の天候は晴れ。朝9時20分に開始された予選Q1で、まずはユーズドタイヤでアタックに出た関口雄飛は、マシンの感触を確認し、残り時間7分30秒を過ぎたところで、ニュータイヤを装着してアタックに入ります。タイヤを温めながら前車との間合いを計り、アタックに入ろうとしたタイミングで、第2コーナーでコースオフした車両が出て、赤旗中断。

 この段階で関口雄飛の順位は9番手。赤旗再開後、2分30秒の計測時間と発表され、全車一斉に最後のアタックに突入し、関口雄飛は1分14秒777で10番手。かなり際どい状況ではありましたが、無事予選Q2進出を果たしました。

 予選Q2では、残り時間7分30秒でコースインした関口雄飛は、1分14秒134をマークし、2番手となるもトップに届かず、再度アタックを敢行しましたが、タイムは更新できず、最終的に3番手グリッドが確定しました。

 決勝レースは、またしてもドラマチックな展開となりました。スタートで順位をひとつ落とした関口雄飛は、1周目に真っ先にピットに入り、4輪を交換。8台のマシンが同じ戦略を取るなか、その中のトップ、12番手でコースに復帰。

関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 前が開けたクリアな状態のなか、予選さながらのアタックを開始します。全開に次ぐ全開で、誰よりも速くサーキットを駆け抜ける19号車。その速さに驚いたライバルチームたちは、無線でそれぞれのドライバーに激を飛ばしますが、誰も関口雄飛の速さを上回ることはできません。

 7周を過ぎた段階で、計算上はトップに浮上し、さらにファステストラップを更新しながら関口雄飛は周回を重ねます。33周目には実際にトップを走るドライバーがタイヤ交換にピットに入り、1台を残して全車タイヤ交換終了となり、その1台がタイヤ交換に入った段階で関口雄飛は後続に9秒以上のリードを得ているはずでした。しかし、39周目に第2コーナーでクラッシュした車両が出て、セーフティカーが入りました。その時点でトップの車両はピットインしてタイヤ交換。変わってトップに立った関口雄飛の前に、セーフティカーが入ったのです。

 2番手以下に対して8秒873あったギャップはすべて失い、逆にタイヤ交換が早かったために、グリップ力の低下したマシンで戦わねばならない苦境に立たされることになったのです。

 43周目にリスタートし、残り9周の戦いが再開されました。2番手のマシンに激しく詰め寄られ、僅差で最終ラップに突入する関口雄飛。オーバーテイクボタンを最後まで使い切り、抜きにくいコースの特性を生かした関口雄飛は、そのままトップでコントロールラインを通過。今季初優勝、通算3勝目のチェッカーフラッグを受けました。

関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 優勝した瞬間、星野一義監督が感極まって雄叫びをあげ、そしてはじけるような笑顔で、チームスタッフひとりひとりに握手をし、パルクフェルメに戻ってきた関口雄飛を抱きしめ、喜びを分かち合いました。関口雄飛はこの優勝で初のシリーズ制覇に向けて大きな一歩を踏み出すことになりました。

■関口雄飛のコメント

「2016年に中嶋一貴選手が土曜にぶっちぎりだったのに、日曜日は予選Q2に進出できなかったことがあったので、自分たちにもそれが十分起こりうると考え、土曜のレースが終わったあと、エンジニアとその部分を話しました。対策はしたつもりだったのですが、うまくいかず、Q1はギリギリで通過できました」

「Q2に向けてマシンを修正して、いい感じにはなったのですが、昨日ほどのバランスの良さはありませんでした。でもQ1と比べたら大きな進歩がありましたし、予選3番手なら優勝は狙えると思いました。自分のペースで走ることができれば、勝てる自信はありました」

「土曜日のレース1では、スタートで前に出られて最後まで抜けませんでしたが、レース2はピットインが義務付けられているので、戦略次第では自分のペースで走れるので、抜くチャンスは十分にあります。ですからピットインのタイミングに関しては、ドライバー、エンジニア、監督といろいろな意見があって、悩みに悩みましたが、最後は1周目に入ると決めました」

「2016年のSUGOでの優勝は、自分で勝ち取ったという感覚でしたが、今日はいいクルマといい戦略で勝たせてもらったことが大きいので、チームにめちゃくちゃ感謝しています。終盤でライバルのペースが速く、厳しい状況ではありましたが、ミスさえしなければ絶対に抜かれないとわかっていたので余裕でした」

「今日は勝てて本当に嬉しいですが、スタートに課題が残ったので、その部分を解決して、次の富士でもいい走りができるように頑張りたいと思います」


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