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投稿日: 2018.08.19 16:39
更新日: 2018.08.19 19:20

背水の陣で臨んだ石浦が圧巻の今季初優勝。戦略多様化でオーバーテイク多発/スーパーフォーミュラ第5戦決勝

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スーパーフォーミュラ | 背水の陣で臨んだ石浦が圧巻の今季初優勝。戦略多様化でオーバーテイク多発/スーパーフォーミュラ第5戦決勝

 一方、キャシディとチャンピオンを争うランキングトップの山本尚貴(TEAM MUGEN)は13周終了時点でピットイン。ピットストップタイム13.4秒というスムースな作業で、ミディアムタイヤからソフトタイヤに履き替えてレースに復帰した。

 この山本の背に迫ったのが、先にピット作業を終えたキャシディ。アウトラップでいまだタイヤが温まっていない山本はキャシディの追撃を受ける。キャシディは4コーナー先のストレートでオーバーテイクボタンを使って山本を強襲。5コーナーの飛び込みでインを抑え、山本を抜き去った。タイヤが温まっていない山本は、なすすべなくキャシディの先行を許してしまう。ポイントラインキングトップを争う2台が、コース上で直接対決する形となった。

 数周後、このふたりにカーティケヤンを加えた3台がポジション争いを展開する。18周目、5コーナーで先行するカーティケヤンにキャシディがオーバーテイクを仕掛ける。しかしカーティケヤンがポジションをキープ。カーティケヤンに前をふさがれている間に、キャシディに山本が追い付いてくる。

 動きのいいキャシディはコーナーごとに勝負を仕掛けようとするが、なかなかカーティケヤンを抜くことはできない。その間に追い付いてきた山本と、90度コーナーで接触してしまう。しかしその後、キャシディ、山本ともにカーティケヤンをオーバーテイクしている。

 23周目、3番手走行の野尻がピットイン。ミディアムタイヤに交換するもそれまでのペースが良くなかったことから、12番手でレースに復帰することになった。

 レースの約半分を終え、トップは松下。ここに石浦、平川が続く。松下は野尻から遅れること4周、27周を終えてピットインすると、ミディアムタイヤに交換して13.3秒のピットストップで、7番手でレースに復帰した。

 松下がピットストップすると見るや、石浦は松下がピットロードに向かう直前からオーバーテイクシステムを作動して猛プッシュ。前がクリアになった石浦はそれまでより約1秒速いペースで周回を重ね、ピットアウトで松下を交わすマージンを築くべく、ペースを上げる。

 31周を終えて、トップは石浦、2番手には最初のピットストップでソフトタイヤからソフトタイヤに変えて2ピット戦略が判明した平川、3番手山下健太(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、4番手にはジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)、大嶋が続く。まだピットストップを行っていないのは、石浦、山下、ロシター、そして6番手の関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)だ。

 平川は39周目に2回目のピットイン。ミディアムタイヤに交換している。ソフトタイヤで40周は走り切った石浦は、ソフトタイヤからミディアムに交換するとピットアウト。後続に対し大幅なリードを築いていたため、再びトップで戦列に加わった。

 残り10周を切り、トップは石浦、2番手には約6秒差で平川、3番手キャシディとトヨタ勢がトップ3を占める。レース中盤にキャシディと激しくポジション争いを展開した山本は、5番手で走行を続け、ピットストップまではレースリーダーだった松下は4番手で走行する。

 残り2周、5番手を守っていた山本が後続に追撃を受ける。オープニングラップの接触によりピットインが1回多くなった大嶋は、2回のピットストップを行って最後のスティントにソフトタイヤを装着していた。大嶋はまず、7番手の山下を90度コーナーでオーバーテイク。

 さらに最終ラップ、大嶋は山本も90度コーナーで抜き去り、5番手を奪取した。大嶋は山本に比べ後半に最後のピットストップを行っており、山本よりも約1秒、ラップライムが速い状態だった。

 山本としてはチャンピオンシップを争うキャシディに先行を許しているだけに守りたかった5番手。オーバーテイクの際もねばりを見せたが、大嶋、そして山下に前を奪われ、5番手をキープすることはかなわなかった。

 トップの石浦は終盤、2番手の平川にギャップを縮められつつも、そのままトップチェッカー。石浦は今季初の優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。2位には2ピット作戦を見事に決めて7つポジションを上げて表彰台に上った平川、3位には今大会開幕前時点で、山本と僅差でチャンピオンシップを争っていたキャシディが入った。

 中盤までトップを走行した松下は、今季最上位の4位。予選では速さを見せるも決勝ではなかなか奮わずにいたが、今大会で留飲を下げた。開幕戦以来のスーパーフォーミュラ参戦となった福住は、序盤の接触が響き、その後も90度コーナーで接触してノーズ交換となってしまい、17位でレースを終えている。

 後半戦の初戦となる第5戦もてぎはディフェンディングチャンピオンの石浦がシーズン初優勝することで幕を閉じた。2018年シーズンのチャンピオンシップは、2戦を残してますます混戦模様となってきた。

スーパーフォーミュラ第5戦もてぎを制した石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)
スーパーフォーミュラ第5戦もてぎを制した石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)


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