幸いにもフリー走行直後に行われたサーキットサファリでは走り出すことができ、決勝前に行われれる8分間のウォームアップでは距離を走ったタイヤを装着するとともに、燃料も積んだ「苦しめな状態」をシミュレーション。グリッドでも車高の変更などを行ったが、「エンジニアにも『あとはわからないからお願い』と言われていたので、開き直った感じ」と、最後は石浦の腕に託される形でスタートを切った。

●可夢偉と石浦の“冷静な”攻防
 一方、決勝では石浦にあと一歩というところまで詰め寄った可夢偉だったが、前日の予選ではトップ3からコンマ4秒引き離されての4番手。ただし、可夢偉のセットアップは決勝を重視したもので、その狙い通り、可夢偉はスタートで3番手まで順位を上げる。前方の石浦、そしてジョアオ-パオロ・デ・オリベイラという国内レースの経験豊富なふたりと遜色ないペースで周回を重ね、ピットストップでオリベイラに先行。アウトラップで迫ってきた野尻の攻撃も、ブレーキングでフラットスポットを作りながらも退け、首位を走る石浦への”勝負権”をもぎ取った。

 対する石浦は、盤石とは言えない中でのスタートとはなったものの、オープニングラップを終えて1秒以上のリードを確保。「一瞬、楽に逃げられちゃうのかなと思ったのですが、そんなに甘くはなかった」と徐々に詰め寄られるが、タイヤ交換後もトップの座をキープし、可夢偉の追撃を受けて立つ形となる。

 47周目、可夢偉がオーバーテイクシステム(OTS)を用いて勝負を仕掛ける。「プレッシャーを与えていったら(石浦は)どれだけ失敗するかなと思ったのですが、まったく失敗しなかった。僕もどれくらいのブレーキで行けるのか測っていなかったので飛び込めなかった」と、先制攻撃は不発に終わった。翌周も立て続けにOTSを使用し、ヘアピンでイン側に並びかけるが、石浦はアウト側からポジションを守る。「しっかりミラーを見ているなということが分かった。なかなかこれは攻めようがないなと」(可夢偉)。

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