レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2021.08.31 12:43
更新日: 2021.08.31 12:52

横浜ゴム 2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | 横浜ゴム 2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ レースレポート

 一夜明けた決勝日は、予選日以上に雲が広がる曇天になった。ただ心配されていた雨は落ちてくることなく、終始ドライコンディションで35周による戦いが行われた。順当な蹴り出しでトップの野尻選手が先頭で1コーナーを通過。一方、抜群のスタートダッシュでポジションを上げてきたのが5番手スタートの平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)だった。平川選手は動き出してすぐに大湯選手をかわすと、そのまま松下選手にも襲い掛かる。2台は並んで1コーナーへと入っていくが、松下選手がなんとか踏ん張り3番手を死守。平川選手は4番手に落ち着いた。

 もてぎではスタート直後が最大のオーバーテイクチャンスとあって、各車がオーバーテイクシステム(OTS)を点滅させながら激しいポジション争いを繰り広げる。そのなかで、8番手スタートの福住仁嶺選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に背後の山下健太選手(KONDO RACING)がわずかに接触。福住選手はV字コーナーでマシンをスライドさせてしまう。

 オープニングラップの混戦模様のなかでのアクシデントで、後に続くマシンはなんとか多重クラッシュを回避しようとオーバーランしながらも福住選手のマシンを避けていったが、スペースがなかった塚越広大選手が福住選手のマシンに乗り上げるように接触してしまった。これで2台はマシンにダメージを負い、またこのアクシデント回避の中で大嶋和也選手(NTT Communications ROOKIE)も他車に追突されストップ。開始早々に3台が戦列を離れ、レースはセーフティカーが導入された。

2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 1周目のアクシデントでセーフティカーが導入
2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 1周目のアクシデントでセーフティカーが導入

 5周目にセーフティカーが隊列から離れてレースが再開すると、先頭の野尻選手はファステストラップを更新しながら関口選手に対するリードを広げにかかった。対する関口選手は、10周目に入ったところでいち早くタイヤ交換をすませ、アンダーカット作戦に出る。

「ここ数戦、ピットインを引っ張って失敗した部分があったので、今回は真後ろにいる選手に対してどう反応するかを決めていた」と後に記者会見で話した野尻選手は、関口選手のピットインを見ると翌周に自らもピットイン。チームの作業も素早く、野尻選手は関口選手のアンダーカットを阻止し実質トップを守ってコースに復帰した。

 その後、続々と他車がピット作業へ向かっていき、野尻選手の見た目上のポジションもじわじわと上がっていく。26周目に平川選手がピットインし、これで全車がピット作業を完了。野尻選手がトップに戻り、あとはチェッカーを目指すのみとなった。関口選手との差は、残り3周の時点で3.4秒。最終ラップで、関口選手が1周丸ごとOTSを作動させて一気にギャップを削ってきたが、1秒届かず。野尻選手がトップチェッカーを受け今季3勝目をマークした。

 2位の関口選手に続いたのは、終盤の平川選手からの激しいプッシュをしのぎきった松下選手。34周目のS字コーナーで、平川選手がOTSを使いながらイン側から鋭く切り込んできたが、オーバースピードでスライドしてしまい、冷静にクロスラインで3番手をキープした松下選手が今季初表彰台を獲得した。

2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 表彰台
2021スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 表彰台

■コメント
野尻智紀選手(TEAM MUGEN)
【今回の成績:優勝】

「ホンダのホームコースであるもてぎで、何としても勝たなければと思ってこの週末に臨みましたが、その思いをすべてぶつけて、結果も出すことができました。シーズン後半戦のもてぎ2連戦は非常に大きな意味を持ってくるのは理解していたので、SUGOからの長いインターバルはそれを意識して過ごしてきました。もてぎでは過去2シーズン、とても苦労しましたが、その苦労が活きたラウンドになったと感じています。支えてくれたチームのみんなに感謝していますし、このチームの強さを残りのレースでも示したいですね」

高口紀貴(横浜ゴム MST 開発部 技術開発2グループ)

「今回、野尻選手は予選から非常に素晴らしい走りを見せてくれました。Q1では1秒以上、ほかのドライバーに差をつけていましたが、彼ひとりだけ、このクルマとコース、コンディションならこれぐらいのタイムが出るだろうというのが見えていて、ミスすることなくその位置に持ってきたという印象です」

「ほかのドライバーたちも、Q3に向けていろいろと調整してきた結果、最終的なタイム差は縮まりました。スーパーフォーミュラに参戦しているレベルのドライバーは、野尻選手と同じようなところに持って行くだけの力を持っていますが、彼だけが最初からそのレベルに届いていたというように見えました」

「今シーズンはもてぎ大会が2連戦となります。これまで開催していた夏の時期と異なり、次戦は経験のない秋のレースで、あまりもてぎでは経験のない温度域での戦いになると予想しています。タイヤのウォームアップのさせ方などに影響があるかと思いますが、今度は誰がいち早くその正解にたどり着いてスピードを発揮してくれるのか、楽しみにしたいと思っています」

・横浜ゴムモータースポーツWEBSITE:https://www.y-yokohama.com/cp/motorsports/
・横浜ゴムモータースポーツFacebook:https://www.facebook.com/YRCmotorsports


関連のニュース