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投稿日: 2022.07.17 23:39
更新日: 2022.07.18 00:11

P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 決勝レポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 決勝レポート

SUPER FORMULA 2022
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第6戦 富士スピードウェイ 2022年7月17日(日)決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
決勝:2位

#39 阪口晴南
決勝:12位

 7月16日(土)に行われた第6戦の公式予選では、坪井翔がタイミング良くアタックし、フロントロウ2番手を獲得。ウエット路面でのセッティングが的中した阪口晴南も4番手と、今季ベストグリッドを揃って得ることができたP.MU/CERUMO・INGING。そのグリッドを結果に繋げるためにも、重要なのは7月17日(日)の決勝レースだ。

 予選日こそ強い雨が夜半にかけて降り続いていた富士スピードウェイだが、迎えた決勝日の朝は曇り空。天気予報とは異なり、朝はまだわずかに細かな雨が舞っており、なかなか路面コンディションが好転しなかった。

フリー走行

7月17日(日) 09:00〜09:30 天候:曇り 路面:ウエット〜ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’24.694/#39 阪口晴南 1’25.783

 午後2時30分からの決勝レースの時間帯は晴天に転じる天気予報が出ていたことから、迎えた午前9時からの30分間のフリー走行は、ドライコンディションでのセットアップを確認するための重要なセッションだった。

 特に7月16日(土)は終日ウエットコンディションだったことから、誰ひとりとしてスリックタイヤで走行していなかった。すべてのドライバーにとっても重要なセッションだが、気温22度/路面温度24度というコンディションとなった走行開始時は、レコードライン上がわずかに乾いている程度で、細かな雨粒も舞っていた。

 ライバルのなかにはスリックタイヤを履いてコースインする車両も見られたが、坪井、阪口ともにウエットタイヤを履きコースイン。スーパーフォーミュラが走行するとその強大なダウンフォース、熱もありすぐに路面が乾きはじめ、坪井も阪口もスリックタイヤへ交換し、短い周回数ながらセットアップを確認していった。

 終盤ストップ車両もあったが、赤旗中断はなく午前9時30分にフリー走行はチェッカーを迎えた。

 終了間際、坪井は1分24秒694をマークし、15周を走り2番手でセッションを終えた。一方阪口は16周を走り、13周目に1分25秒783をマーク。16番手でセッションを終えることになった。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

7月17日(日) 14:30〜 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’24.477(32L)/#39 阪口晴南 1’25.249 (14L)

 フリー走行の後、富士スピードウェイは急速に晴れ間が広がり、気温27度/路面温度37度という暑さのなか午後2時30分からの決勝レースを迎えた。直前のウォームアップで坪井、阪口ともフィーリングを確認し、阪口はグリッドでリヤの足回りを調整し、決勝に挑んだ。

 1周のエクストラフォーメーションラップの後に迎えたスタートでは、2番手の坪井はやや伸びを欠いたが、2番手でTGRコーナーに入っていく。ただ、ポールスタートの#19 関口雄飛に詰まる間に、アウトから#1 野尻智紀に先行を許してしまった。一方、4番手スタートの阪口は1周目のペースがあまり良いものではなく、#5 牧野任祐に先行された。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 スタート
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 スタート

 1周目から後方集団ではアクシデントも起きるなか、3周目の2コーナーで大きなアクシデントが起き、レースはセーフティカーランとなる。9周目にリスタートを迎え10周目にピットインが可能になると、2番手の#1 野尻がピットへ。坪井は2番手、さらに阪口は4番手に戻りそのまま11周目にピットインを行った。ただ阪口はその後いまひとつペースを上げることができず、防戦を強いられる展開となってしまった。

 一方の坪井は、トップを走る#19 関口に大きく離されることなくレースを進めていった。このドライでのスピードは、坪井にとってもチームにとっても大きな自信となる。

 そしてレースは後半へ。坪井をいつピットに戻すかチームはタイミングをうかがった。

 先頭の#19 関口は25周を終えピットインするが、これを見てP.MU/CERUMO・INGINGも動いた。坪井をピットに戻し作業を行う。するとそのタイミングで、コースに戻った#19 関口のタイヤが外れコースサイドにストップしてしまった。レースはセーフティカーランとなるが、ピットアウトした坪井が#1 野尻の前で戻ることができれば、実質的なトップになるはずだ。坪井は追い抜きできなくなる第2セーフティカーラインまでアクセルを踏み込み、#1 野尻を先行することに成功した。「勝った!」──P.MU/CERUMO・INGINGの誰もが確信した。

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

 しかし坪井がストレートに戻ってくると、まさかの光景が待っていた。坪井の翌周にピットインしていた#15 笹原右京がコースに戻ってくる。坪井がセーフティカーになかなか追いつけない間に、トップに入られてしまったのだ。坪井、チームともに信じられないまさかの事態となった。31周目にリスタートを迎え坪井は必死に首位を追ったが2位。一方の阪口も後半順位を落とし12位でフィニッシュした。

 一瞬のジャッジで勝てるレースを落とし、悔しさが残ったが、チームにとっての今季初表彰台という結果と、坪井の好ペースという手ごたえを得る週末となった。

ドライバー/監督コメント
#38 坪井翔

「トップに立てたと思いましたが、1周戻りセーフティカーが見え、無線が入って初めて先行されたことを知りました。詰めが甘すぎました。残念な結果でしかありませんが、チームとしてはやっと表彰台に立つことができましたし、これまで阪口選手とふたりで3点ずつしか獲っていなかったので、やっと大量得点をすることができました。残り4戦次第では順位を上げることもできると思いますし、チームポイントも追い上げることができました。表彰台に乗ることができたことについてまずはホッとしています。またドライのペースについてはランキング上位のドライバーと同じようなタイムで走れていたので、その点はこれ以上ないくらい収穫だと思います」

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「まずはレースで大きなクラッシュもあり、ドライバーが心配でしたが、大きな怪我がないと聞いて安心しました。自分としてはスタートはうまくいきましたが、1周目のバランスが悪く、1台を抑えることができなかったです。その後はかなり厳しいディフェンスとなりましたが、単独走行となってもまったくペースが上がらず、今年でいちばん苦しいレースになってしまったと思います。今シーズンいろいろ試したことが結果に残らず悔しいですね。坪井選手は速いペースで走れていたので、データなどもしっかりと共有して次戦以降に臨みたいです。今までと違う部分も探っていきたいですし、見落としがないかしっかり洗い出したいと思います」

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「好ポジションからのスタートで、常に優勝を狙えるレースでした。セーフティカーが出るタイミングでピットインでき、野尻選手の前に出ることができましたが、その後ピットとドライバーの連携がうまくいかず、1台先行されてしまいました。すごく残念ですね。阪口選手もウエットでは良かったですが、ドライになって苦しくなってしまった部分がありました。確実に一歩一歩良くなってはいるのですが。もう少し改善の余地がありますね。今後に向けて良い材料にはなると思っています。しかし、今日はうまくいけば勝てていたレース。悔しいですし、監督である僕の責任でもあります。次回同じことがないよう、しっかり取り組んでいきたいと思います」

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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