誰もが知っているとおり、レッドブル育成ドライバーのガスリ―は、2017年にトロロッソからF1デビューする最有力候補だった。しかしレッドブルはGP2シリーズの最終戦(アブダビGP)を待たず、10月下旬のUSGPでダニール・クビアトの残留を発表した。
「あの時点では本当にがっかりした。17年はF1に進めないのがすごく悲しかった。去年GP2で走っていたときの目標はF1にステップアップすることだったし、レッドブルとはトロロッソの可能性について話し合っていたから――基本的には、ダニールか僕か、という状況だったんだ。同時に、僕がF1に行くためにはGP2でチャンピオンになることが必要だった。僕にはその自信があったし、ヘルムート(マルコ)にも説明したよ。GP2ではいろんな問題が起こって不可抗力で獲れるはずのポイントを阻まれていたけど『タイトルの自信はある』とね。でも、彼らはUSGPというとても早いタイミングでダニールと契約を交わさなきゃならなかったんだ。僕には『もう決まったから』という以上の説明はなかった。いずれにしてもダニールが決まった以上、僕にはどうすることもできなかったし、将来に備えてベストな選択肢を検討するしかなかった」
精神的に、乗り越えるのが厳しい状況だったとガスリ―は言う。でも、最終戦のアブダビでGP2チャンピオンに輝くまで、コース上で陰りを見せることはなかった。そして今は、未知の国で戦うスーパーフォーミュラに高揚する気持ちを抑え切れない。
「スーパーフォーミュラはすごくコンペティティブなマシンで、走るのが本当に楽しいシリーズだってみんなが教えてくれた。とくにコーナーではすごく空力が効くしタイヤも素晴らしいから、パフォーマンスに関しては最高のフィーリングが得られるよ、って。ドライバーがいちばん好きなのは純粋に速く走る感覚だから、僕も気に入ると思うよ! 自分はどちらかというとアグレッシブなドライバーだから、アタックできるマシンだというのが本当に嬉しい。いまは鈴鹿のテストが待ちきれない気持ちだよ」