更新日: 2023.11.09 18:16
TGR TEAM SARD 2023スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
2023スーパー第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』(11/4~5)
モビリティリゾートもてぎ(1周4.801km)
入場者数:予選1万5600名、決勝3万0000名 合計4万5600名
11月5日(日)、今シーズンの千秋楽、スーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝が行われ、最後尾15番グリッドからの逆襲を狙って意気軒昂にスタートした関口は、序盤に数台を抜いて20周目には8位に浮上するなど躍動をみせ、27周目にはピットインを引っ張る戦略をとったグループのトップに。
34周目に満を持してピットインし中山と交代。その後、2度にわたるFCYや降雨による滑りやすく難しいサバイバルなコンディションの中で冷静なドライビングで最後までプッシュを続けた中山は、最後まで諦めない闘志を見せて7位でフィニッシュ。ドライバーポイントは4点を獲得しランキング9位(計38点)に、チームポイントは7点を獲得しランキング8位(計58点)となった。
今シーズンは決勝での力強い走りで巻き返しを見せたTGR TEAM SARD。まだまだ課題は多いが確実に成長してストロングポイントを随所に見せ、力戦奮闘で駆け抜け最後まで不屈の闘志を見せた今シーズン。勝利が渇望されるところでもあり、来シーズンこそ最終戦までタイトル争いに加わるべく、強い決意を新に心に刻んだ今シーズンの最終戦となった。
■事前情報
今シーズン後半戦に連続表彰台獲得など上位争いを展開し、第7戦オートポリスでは予選3番手で期待が高まり粉骨砕身の戦いをみせたが、車両トラブルで、この最終戦でのタイトル挑戦権を惜しくも失ったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。
2023年シーズン『千秋楽』となる第8戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』は、11月4日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、5日(日)決勝は13時スタート。
レース距離は300km(63周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。1人のドライバーの最大運転周回数は42周まで。サクセスウエイトは、すべてリセットされ0kgとなり、各車イコールの真っ向勝負となる。F2戦闘機のデモフライト、NSXラストラン、立川祐路選手のGTラストセレモニーなど執り行われ、『GRAND FINAL』として決勝レース終了後にはシリーズ表彰、グランドフィナーレが予定されている。
チャンピオンタイトル獲得への挑戦権を持つ車両は各メーカー1台ずつの計3台に前戦オートポリスで絞られた。同じ陣営の車両をチャンピオンカーにするためにも、メーカー毎の総力戦ともいえる団体戦が展開されると予想されている。また各チームとも来シーズンにつなげるためにも良いかたちでシーズンを締めくくるべく最後のチカラを振り絞って臨んでくる。
もてぎは、シリーズのなかでも予選順位が重要視されるコースであるため、各陣営とも公式予選から激しく厳しい戦いが見込まれる。まずはグリッド前方を獲得するというミッションをクリアし、決勝ではランキング上位でシーズンを終えるため、また同陣営のチャンピオン獲得を援護するためにも、脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、意気軒昂に今季1勝を目指していった。
■公式練習走行
4日(土)9時25分から開始された公式練習走行は、濃霧となった朝から快晴へと変わり気温15度/路面温度18度の晩秋の寒さ。最初の85分間の混走セッションでは、路面状況が改善されたのを見計らって25分経過後にハード側ドライタイヤを装着して関口がコースイン。
セットの微調整をしながら、8周目に1分38秒624と12番手タイムをマーク。アンダー傾向であるということでさらにセットアップを進めながら走行。13周目からは中山がそのまま同じタイヤで長めの走行を行いタイヤを評価。混走セッションはトータル23周を走行して、最初に関口が8周目にマークした1分38秒624のタイムで12番手となった。
10分間のGT500単独セッションでは、温かい陽射しが照りつけ、気温20度/路面温度29度に上昇。関口は新品のハード側ドライタイヤを装着して予選のアタックシミュレーションを実施。セクター2、3で混走セッションからのセクターベストタイムを更新。4周目に1分38秒023の11番手タイムをマークして、ベストセットへと近づく改善と進歩を見せたGT500単独セッションとなった。
■公式予選
■Q1:関口がまさかの15番手タイムに
4日(土)14時53分から予定通り開始されたQ1は、気温23度/路面温度28度の晴れ。日が傾き、若干路気温が下がってきていたが暖かい陽射しの快晴。コースオープンから1分ほど待ってからピットを離れた関口は、ソフト側ドライタイヤを装着。
グリッド前方確保を狙う、ライバル勢もソフト側を選んできており、厳しい予選と予想されていたがクルマのフィーリングは改善されて攻められるクルマに進歩し、Q1突破を目指してクルマに乗り込んだ気合い十分の関口は、タイヤをじっくりと丁寧に温め、4周目からアタックを始めた。
だが1コーナーの進入でクルマが大きく跳ねてしまい、下を打ってタイムロスと厳しいアタック周の入りとなったセクター1。続くセクター2で25秒8と専有セッションと同等。セクター3でコンマ2秒更新、最終セクターでは21秒4と同等で、1コーナーで失ったロスを取り戻せず、トータルタイムは1分37秒904の15番手タイムにとどまり、まさかのQ1突破ならず。
クルマのフィーリングは公式練習走行からのセット調整などで改善していったが思うようにタイムに結びつかず、明日の決勝はGT500クラスの最後尾15番グリッドからスタートという厳しい結果となった。予選後には、今シーズンでGT500クラスから引退を表明した立川祐路選手のセレモニーが、38号車のピット前に全TGRドライバーが集まって和やかに執り行われた。
■決勝
■ウォームアップ走行
5日(日)11時30分から開始された20分間のウォームアップ走行は気温22度/路面温度27度で雲が多いものの晴れ間が見えるコンディション。最初に中山が7番手タイムをマークしながら5周走行。続いて関口が同じタイヤでチェッカーまで走行。ウォームアップはトータル11周を走行して。関口が9周目にマークした1分39秒841の3番手と調子を取り戻した内容となった。
■決勝レース
第1スティント:関口が躍動のオーバーテイク
15日(日)、13時決勝スタート時点は気温23度/路面温度28度で黒い雲が大きく広がって不穏な空に。15番グリッドから逆襲を狙って意気軒昂にスタートしたDENSO KOBELCO SARD GR Supraを駆る関口は、7周目から次々と前をいく車両をオーバーテイク。どんどんと順位を上げていく勢いある走りで20周目には8番手に浮上する躍動をみせた。
21周目にはタイトル争い一角の16号車を抜き、各車ピットインを始めたタイミングでもステイアウトで前が開けたところを猛プッシュ。ポツポツ雨も落ち、その後の天候情報をみながら、27周目にはピットインを引っ張る戦略のグループのトップに立った。タイヤ交換組と遜色ないペースで走っていた関口。集団に絡んだり、狭いピット作業エリアでロスしない良いタイミングでピットインさせるべく、周りの状況を見ながら33周を終え、34周目に満を持してピットに関口を呼び戻した。
第2スティント:中山が冷静なドライビングで最後までプッシュ
交代した中山は、フレッシュなタイヤで追い上げていく。全車ピットインを完了、7番手のポジションで落ち着いた頃の1回目FCY直前に後からピットインした37号車にかわされ8番手後退となるも、後半に来るチャンスを冷静に待つ中山。
50周を過ぎた頃に雨粒が大きくなり路面を濡らしていき、滑りやすく難しいコンディションのなか、56周目には一旦抜かれた前の37号車を攻略して7番手に。59周目にはコースオフ車両もあって6番手に浮上。冷えた路面コンディションのなか、終盤にエキストラソフトタイヤで巻き返してきた14号車に2回目FCY明け60周目にパスされたが、冷静なドライビングで最後まで諦めない闘志を見せた中山は7位でフィニッシュ。
ドライバーポイントは4点を獲得しランキング9位(計38点)、チームポイントは7点を獲得しランキング8位(計58点)となった。
今シーズンは決勝での力強い走りで巻き返しを見せたTGR TEAM SARD。まだまだ課題は多いが確実に成長してストロングポイントを随所に見せ、力戦奮闘で駆け抜け最後まで不屈の闘志を見せた今シーズン。勝利が渇望されるところで もあり、来シーズンこそ最終戦までタイトル争いに加わるべく、強い決意を新に心に刻んだ今シーズンの最終戦となった。
■関口雄飛
「クルマは持ち込みから良くなってきていたのですが、1アタックにかけた予選で1コーナーでボトミングしてしまってタイムロスもしましたし、決勝を想定したタイヤ選びをしたのでその後のペースもよくありませんでした。決勝では改善方向に進んで良いフィーリングで追い上げてオーバーテイクを何台もできポジションアップ。リザルトこそベストではないですが、自分としては今季ベストな内容でした。今シーズンは優勝できそうなチャンスはありましたが、2位1回、3位1回でしたので来シーズンは優勝できるように頑張っていきたいと思います。これからも引き続き、応援のほどよろしくお願い申し上げます」
■中山雄一
「課題をクリアすべく挑んだ最終戦、コンディションに合わせるのがとても難しく苦戦して、決勝へ向けて良い方向性を見つけることができましたが、もっとうまくできたはず。今シーズンは一戦一戦、獲たことを次のレースに活かして繋げることができ、内容の濃いレースを重ねることができたと思います。来シーズン、もっと強い姿を見せられるようにシーズンオフを過ごし準備していきたいと思います。今シーズン、毎戦熱くチカラ強い応援を頂いた皆様に大変感謝申し上げます。ありがとうございました!」
■監督 脇阪寿一
「TGR TEAM SARDを応援いただきました皆様、ありがとうございました。最終戦は予選15番手から決勝7位でゴールし、年間ドライバーランキング9位、チームランキング8位で今シーズンのスーパーGTレースを全て終えました。最終的にリザルトに並んだ数字よりも、はるかにチームの成長を感じた一年でした。今年得たことを必ず来シーズンに繋げます。シーズンオフのテストを通じて、出来ていない事や足りない事など課題を解決して いき、さらに強くなったTGR TEAM SARDとして、来年の開幕を迎えたいと思います。引き続き、ご声援のほど、よろしくお願い申し上げます」