■“3人目の若きサムライ”近藤翼

 しかし、好調ぶりをみせつけた岡山公式テストから1週間後、富士スピードウェイでの公式テストには、なんと今季のレギュラーである松井孝允と山下健太のふたりが、ステアリングを握れないことになってしまった。松井はTOYOTA GAZOO Racingのドライバーとしてニュルブルクリンクへ、山下はGT500のWedsSport ADVAN LC500をドライブすることになったのだ。

「孝允と健太は、実力としてはすぐにでも500に出られるドライバー」と武士は言う。昨年からふたりが“上”に行ってしまうおそれはあったが、そのときのために、武士はこれまでもポルシェカレラカップ・ジャパン等で目をつけていた、近藤翼を「チームのために働いてくれるドライバー」として今季の第3ドライバーに起用した。

 迎えた富士でのテストだが、シフトに不具合のおそれもあったことから、まずは武士がステアリングを握りコースインした。昨年のもてぎ以来となるレーシングカーのドライブだったが、なんとまさかのスピン。さらに5周程度でピットに戻った。

「GT500がブンブン来るから走るの怖い! それに出ていってすぐにスピンしたし(笑)。やっぱりダメだなと。タイムはいちおう出たけど、トレーニングも一切せずにここに来てしまったし、乗れる準備はできていなかった」と武士は苦笑いする。

 そして、その後を引き継いだのは、昨年スーパーGTにデビューした近藤だ。VivaC 86 MCのドライブは、富士でのメーカーテストに続き2回目。富士公式テストが、本格走行2回目となった。

「力も入っていたので、かなり疲れてしまいましたね。今回たくさん走らせてもらったので、クルマのことも少し分かってきた気がします。武士さんのエンジニアリングもすごく的確で、セッション中もいろいろなことをトライしてくので、勉強になりますし、今後に活きると感じました」と近藤はテスト後、初めての本格的な走行について語った。

 まだ正式にアナウンスされているわけではないが、これで今季のVivaC 86 MCは、レギュラーが松井と山下、そして山下が抜けたときと、鈴鹿の第3ドライバーとして近藤が起用されるのはほぼ確実だ。

 ただし、ファンが望むであろう武士の“復帰”は残念ながらなさそう。「自分は富士に出るつもりはない」と武士は断言した。

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