D’station Racing 2024スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート
D’station Racing
Race Report – 2024.12.9
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2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 5 SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL
DECEMBER. 7 – 8 Qualify :12th / Race:6th
追い上げみせ6位入賞。ランキング4位でシーズンを終える
4月に開幕した2024年のSUPER GTは、いよいよシーズン最終戦を迎えた。当初8月31日〜9月1日に開催される予定だった第5戦鈴鹿がその舞台だ。台風の影響で延期されることになったが、12月の開催はSUPER GTの歴史の中でも初めてのこと。また鈴鹿が最終戦の舞台になるのも2005年以来のことだ。
復帰初年度の2024年、シリーズランキング上位を争ってきたD’station Racingにとって、鈴鹿でのレースは待望といえるもの。同じ鈴鹿で行われた第3戦では、圧倒的なポール・トゥ・ウイン。チームにとって思い出深いコースともなっていたからだ。またアストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3にとっては相性が良いコースでもある。第3戦の再現を狙ってチームは12月7日(土)の予選日に臨んだ。
晴天に恵まれたものの、気温11度/路面温度12度という冬の寒さのなか午前9時20分から始まった公式練習では、藤井誠暢から走行をスタート。6周を走り、すぐにチャーリー・ファグに交代した。途中、二度の赤旗中断もあったが、22周を走り公式練習を終えることに。藤井が記録した1分57秒171で9番手となった。フィーリングは良かったが、第3戦に比べると、ブースト圧が低く低速コーナーが苦しい状況だ。
この第5戦は12月開催ということもあり、日没時間も早いことから、午後1時50分から公式予選がスタートした。GT300クラスは今季途中から変更された新たな予選スタイルが初めて行われることになったが、27台全車が走るQ1でアタッカーを務めた藤井は、タイヤをウォームアップさせアタックを展開したが、その際デグナーカーブでスピン車両が発生。タイヤの良いところを活かせず、1分56秒684で13番手となってしまった。なんとかQ2のUPPER14に進出したが、そのQ2ではファグがウォームアップ時に他車の影響を受けてしまい、1分56秒499というタイムで11番手に。合算タイムでは12番手と今季の予選のなかでは苦しい位置となってしまった。
ただ、決してD’station Vantage GT3のフィーリングが悪いわけではない。明けて12月8日(日)午後0時50分からスタートした決勝レースで、スタートを担当した藤井は、気温13度/路面温度19度という冷え込みのなか、タイヤのウォームアップの良さも活かし序盤から好走。ランキング首位の#65 メルセデスを含め、8周までの間にオーバーテイクをみせ一気に6番手まで浮上してみせた。
ライバルたちがタイヤに苦しむなか、藤井のペースは衰えることなく、17周でピットイン。ファグにも同じタイヤを装着させることを決断し、抜群の作業でタイヤを4本交換。ピットアウトしていった。このレースでもタイヤ2本交換や無交換といった作戦を採った車両がD’station Vantage GT3の前につけていくが、ファグはレース後半も好ペースで追い上げていった。
30周目、ファグは#4 メルセデスをかわし6番手に浮上。上位陣のなかではペースに苦しむ車両もおり、ファグはさらなる上位進出を目指していった。ただ、今回のレースは短い300km。3番手争いの集団に近づくも、47周のチェッカーを迎え、D’station Vantage GT3は6位でフィニッシュすることになった。
これで藤井/ファグ組は5ポイントを加え、合計59点を獲得。ランキング4位でシーズンを終えた。第3戦鈴鹿からは全戦で得点を重ねており、速さと強さを証明したシーズンとなった。
D’station RacingのSUPER GT復帰初年度は、初優勝をはじめこれまでのチームの歴史でも最高の結果を残すことになった。またチーム全体としても、毎戦のように続いた抜群のピットワーク、トラブルへの対処など大きな成長を感じる一年となった。成長を証明したシーズンを経て、2025年、D’station Racingはさらなる高み、チャンピオンへの挑戦を始めていく。

COMMENTS:
Team Owner:Satoshi HOSHINO
公式予選ではタイヤの良いところが使えなかったようで残念でしたが、決勝レースでは序盤から藤井選手が大きく順位を上げてくれて、チャーリー選手も踏ん張って順位を戻してくれたので、チームとしては良いレースになったと思います。トップ5は速かったですが、今日はチームワークが素晴らしかったと思います。ピット作業も良かったですし、完璧なレースができたのではないでしょうか。今回の状況を考えれば、強力なライバルの前での6位は良い結果だったと思います。今シーズンはランキング4位となり、来年に向けて『チャンピオンを狙いたい』と言える状況になったと思います。来季、ぜひチャンピオンを目指したいと思いますので、ぜひ引き続き応援よろしくお願いします。
Director:Kazuhiro SASAKI
終盤は本当に速かったので、あともう少しレース距離があればな……と思って見ていました。公式予選が12番手という苦しい位置だったので、それを考えると良いレースになったのではないでしょうか。今シーズンは本当に安定して上位を戦えるようになってきたので、2025年に向けても良い一年になったと思っています。今年は開幕戦、第2戦とトラブルもありましたが、優勝を飾った第3戦以降はすごく安定して戦えるようになりましたし、表彰台も一年に2回登れましたからね。素晴らしい年だったと思います。今回は12番手から6位になりましたが、それでも納得できない気持ちになるくらいですからね(笑)。それほどのチームに成長することができたんだと思います。
Supervisor:Tetsuya TANAKA
公式予選では黄旗もあり、アタックがうまくできず12番手になってしまいまいたが、それがもう少し上位だったらレースでもさらに前にいくことができたと思います。今回は第3戦のようなポテンシャルは正直なかったのですが、僕がいちばん嬉しかったのは、辛いレースのときこそ着実にペースを上げて、ポイントを得ることができたということです。今シーズンは途中から良い流れにありましたが、悪いときにいかに耐えられるかどうかがチームとしては大切なことです。今回の第5戦でも苦しいなかで6位に入ることができましたし、チーム全員のいろいろな成長を感じ取ることができた一年間でした。それを実感でき、ある意味で充実感があった最終戦だったと思いますね。
Driver:Tomonobu FUJII
優勝した第3戦と比べるとブースト圧が低かったこともあり、クルマやタイヤはすごく良かったものの、低速が苦しく予選は12番手になってしまいました。ただ、レースではタイヤの発熱も良かったので6番手まで浮上することができました。ピット作業も速かったですし、6位まで順位を上げられると思っていなかったので、結果的に良いレースになったのではないでしょうか。今シーズンは苦しいときもありましたが、チーム全員が良い仕事をしてくれたおかげで、安定して上位で戦うことができました。復帰初年度としてはすごく良い一年になったと思います。今年はシリーズ4位でしたが、来年はチャンピオンを目指し、開幕から戦えるよう準備していきたいと思います。
Driver:Charlie Fagg
すごく楽しいレースだったよ。クルマの感触はすごく良かったし、ダンロップタイヤはすごくフィーリングが良かった。決勝でのペースには満足しているし、パフォーマンスにも満足だね。今日は藤井サンがスタートから素晴らしい仕事をしてくれて、12番手から6番手に上がってくれたし、その順位を守って6位でフィニッシュすることができた。僕はタイヤをマネージメントすることを重視していたけれど、あと2周あればもっと順位を上げられたかもね。シリーズを4位で終えられてすごく嬉しいし、今年SUPER GTに挑戦することができて良かった。藤井サン、ファンの皆さん、D’station Racingの皆さんに感謝しているよ。来年戻ってこられることが楽しみだね!