第1スティント:ヘイキが雨中の好走で一時3位浮上
22日(日)14時決勝スタート時点は気温25度/路面温度26度。雨が一時は止んでいたが路面は濡れたまま。
スタート直前からふたたび降雨があり30分以上は降り続け2回の強い雨が来るとの天候分析から、エンジニアとドライバーがスターティンググリッド上で協議し、戦略上の自由度が高くスタート担当のヘイキの雨の速さにも期待を掛けて最終的にハード系のウェットタイヤを装着。
不退転の覚悟で4列目7番グリッドから勝利を目指していった。ヘイキがスタート直後の1コーナーで2台を抜き去り5位に浮上。トップ集団の中で前に食らい付き、1回目のセーフィティカー(SC)導入後の16周目には4位に浮上。
29周目には16号車を仕留めて3位に浮上する快進撃。天候分析通りに雨が止み路面の水の量がなくなってドライ路面になりつつあった40周を終えピットインをしようとピット進入レーンに減速して向かうと2回目のSC導入表示される不運。
規則によりピットインができずにステイアウトすると、この隙に後方の2台(6号車、23号車)に抜かれふたたび5位に。その後2回目SC解除時のピットインでの混雑と避けて100号車との位置関係から解除次周47周を終えピットインを敢行。
ヘイキの素晴らしいインラップの走りと素早いピットワークでこれまでピットインした車両のトップとなる5位で復帰する好戦略となるチームワークを見せた。この考えられた戦略が次の不測の事態で大きなアドバンテージを呼び込む結果となる。
第2スティント:平手が死闘の末にトップチェッカー
そのピットアウト時になんと目の前で3回目のSC導入となる波乱。このタイミングでのSC導入で、ステイアウトし続けたトップの100号車にラップダウンされずに戦列復帰していたため、ピットインした車両の中で同一周は46号車のみと一騎打ちの様相となった。
つまり、2回目のSC解除時にピットインしたグループは100号車にアウトラップで抜かれてしまっためラップダウン扱い。100号車を含む上位4台のステイアウト車両は逆にこの3回目のSC導入によって1周先にピットインしていた我々と46号車に1周近くのピット作業分のマージンを削られてしまう結果となった。
これはSUGOが1周のラップタイムが短いがためにSC導入時には起こる得る状況であり、上位車両に対してアンダーカット(=先にピットイン)、下位車両に対してオーバーカット(=1周後にピットイン)という高度な戦略を敢行。また6号車を40周を終えたときに先行を許してしまったため、ピット位置の関係から6号車が47周を終えてピットに入るか入らないかも考慮された。
つねに置かれた状況を見ながら戦略を変えていくチームの判断が幸を奏した結果である。そして、3回目SC解除時に上位4位までの車両がピットイン。ここでトップに立った平手が好ダッシュを決めて、一時2位46号車に6秒ものマージンを築くも、残り数周でペースが上がらず差を詰められてしまう。
運命のファイナルラップで46号車と肉弾戦となり、雨がふたたび降り出したSPコーナーで両車コースオフ。立ち上がりでもつれ合い態勢が崩れるほどのドックファイトで、激しくもクリーンなトップの奪い合いを演じた。
悪夢再来かと思われたが、ここでなんとか意地で持ちこたえた平手がトップチェッカー。第2~3戦の悔しい結果に対する雪辱となる、今季待望の初勝利を劇的に飾った。
ドライバーポイントは20点獲得(計35点)、チームポイントでは23点を獲得(計45点)し、ランキング4位に浮上した。ランキングトップ奪回を狙う次の第5戦は、8月5日(土)~6日(日)に富士スピードウェイで行われる。
