もてぎのオーバルといえばインディカー(チャンプカー時代を含む)日本開催戦のイメージが強いが、実はスーパーGT(JGTC)もそこでレースをしたことがあり、その時に勝ったひとりが“レジェンド”鈴木亜久里であったというのは、記憶にとどめておきたい歴史である。

 もちろん、その後長くに渡ってツインリンクもてぎオーバルを象徴するレースであったのは“インディ日本開催戦”だ。そしてアメリカにもチーム活動の枠を広げていたことがある亜久里にとっては、チーム首脳として、ツインリンクもてぎオーバルで戦った日々があった。そのなかで最も印象に残るレースは、やはり……。

「(2007年に松浦)孝亮がスタート直後にクラッシュした時。あれ以上(に印象に残るレース)はないでしょう(苦笑)。いきなりスピンしているクルマがいると思ったら、ウチだった。もちろんドライバーも一生懸命頑張っているなかでのことだけど、もう目の前が真っ暗になりましたよ。日本のお客さんやスポンサー関係の方も来ているところで……。手応えもけっこうあった時だっただけにね、残念でした。彼に最初にかけた言葉? 忘れました(笑)。正直、あの時は顔も見たくなかったですよ」

 好成績を望めそうな状況でもあっただけに、亜久里にも、ドライバー本人にも、そしてツインリンクもてぎに集まった多くのファンにとっても残念なアクシデントだった。

 ARTAを率いる亜久里にとって、ツインリンクもてぎの思い出はオーバルやロードコースで開催されるトップレースばかりではない。

「ツインリンクもてぎでのARTAのカート夏合宿でも、子供たちとの思い出がたくさんありますね。福住(仁嶺=今季GP3開幕戦のレース1で優勝)も、徳島からお父さんとクルマで寝泊まりしながらツインリンクもてぎに来たんじゃなかったかな。彼が小学1~2年生の頃。おそらく、そこで僕は彼と初めて会ったと思いますよ。今、世界を相手に頑張っている彼の原点もツインリンクもてぎなんですよね」

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